菫色の手帳
樫吾春樹
古びた手帳
その手帳は長い間雨風に晒されていたのか、表紙は色褪せたり染みができていたりしていた。頁を捲り中を開いてみると、綺麗な文字で様々な予定が書かれていたが、そのほとんどは仕事の予定と思われるものだった。資料の締切日や接待、飲み会の日も書き込まれていた。
何の変哲もないことが書かれた頁を捲っていくと、今までとは違った荒い文字が書かれていた。
「お前は弱者だ」
書き出しにはそう書かれていた。その後に続いたのは、この手帳の持ち主である人物の飾らない本音が綴られていた。誰かに助けて欲しいと願う届かない叫びが。
これから語るのは「普通に生きたかった者」の物語だ。
菫色の手帳 樫吾春樹 @hareneko
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