無機質なスタジオにギターの音を

 しろかべはんしゃする、Dm7ディーマイナーセブン。ここはスタジオである。となりにはおんがくかんれんほんやレコードのそなわったしょさいがあり、おれはこのスタジオとしょさいそとかいらない。

 もんいだいている。このスタジオはなんなのか。ほかにんげんはいるのか。いつもおれべているしょくは、いったいだれつくっているのか。

 かいあいがいないわけではない。じんこうのうTRUEトゥルーである。しょさいひとごとつぶやくと、へんとうがくるのだ。TRUEトゥルーしつもんをして、ただしいこたえがかえってこなかったことはない。

 今日きょうTRUEトゥルーかいについてたずねようと、はらくくったのだ。

 しょさいとスタジオをつなぐドアをひらき、こえす。

「このそとは、どうなってる?」

『おこたえします。かべへだてておなけいじょうのスタジオ・しょさいすうつらなっています。』

 こことおなが、ほかにもある⋯⋯。

ほかひとは?」

『おこたえします。かく一人ひとりずつそんざい。』

りょうは、だれつくっている?」

『おこたえします。ばんごうA47のしょくぜんブースによるものです。』

 しょくぜんブース?

しょくぜんブースとは?」

『おこたえします。しょくぜんブースとは、パルヴィとおんがくブースのためしょくざいつくにんげんならびにそのブースのそうしょうです。』

 いやかんがしたが、すこくのを躊躇ためらったのちしつもんつづけた。

「⋯⋯パルヴィとは?」

『おこたえします。パルヴィとは、にんげんとはまったことなるてきせいめいたいです。』

「⋯⋯このかいしんじつを、おしえてほしい。」

 すうびょうちんもくあとTRUEトゥルーくちひらいた。

『おこたえします。げんざいあなたがいるのは、パルヴィのだい13せんおんがくブースA47です。パルヴィは機械ヒトの遺物ぞんしたせいかつつづけた所為せいもありさきようで、やくまんねんまえぜつめつしたじんるいいくぞうしょくさせ、それらにさっきょくしっぴつりょう・そのかいのメンテナンスなどをおこなわせています。――おめでとうございます。あなたは真相TRUE辿たどいた287,196にんじんるいです。』

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