第29話 真夏の夜の夢


本日は、夏至ですね。


日本では、一年を通して日照時間の変化はそれほど大きくはないですが、緯度の高い欧米の都市では日毎にその変化を感じられます。

夏の間だけ時計を一時間ずらす「サマータイム」の制度が導入されていることもあり、夜の9時や10時になっても空が明るいなんていうことはよくあります。


梅雨のある日本では想像しにくいかもしれませんが、欧米の夏至は、まさしく夏真っ盛り。

そして夏至を過ぎると、どんどん日が短くなっていきます。

ですからこの時期は、太陽の恩恵を受けながら、長い夕べを楽しむ方が多いようですよ。


またこの日には、妖精の力が高まるとも言われます。

ウィリアム・シェイクスピアの有名な戯曲「夏の夜の夢(真夏の夜の夢)」のタイトルは、そうしたところからきているとか。


こんな夜は、妖精の森を訪ねて出かけてみるのも良いですが……。

もしよろしければ、ここで私と一緒に一夜の夢に浸りませんか。

風の声に耳を傾けながら、のんびりと過ごしましょう。



本日はそんな夏の夜にピッタリな、「Hugo」というカクテルをご用意いたしましょう。

グラスにたっぷりの氷を入れたら、プロセッコ(スパークリング・ワイン)を注ぎます。

ライムを絞り、エルダーフラワーのシロップをひと混ぜ。

最後にミントを飾れば、見た目も涼しげなサマー・カクテルの出来上がりです。

ワインが苦手でしたら、トニック・ウォーターで割るのもオススメですよ。


風にそよぐエルダーフラワーを眺めながら、急がず、焦らず、ただぼんやりと宵闇を待つ。そんな夕べも、良いものです。

貴女と並んで見上げる空は、どうしてこんなにも美しいのでしょう。



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