第28話 頑張れない日


大丈夫。


貴女はきっと、頑張りすぎてしまったのですね。


大変な仕事を、文句も言わずやってくださって。誰かがやらなければならないことだから、それで助かっている人がいます。

人の見ていないところでも、手を抜かずにきちんとこなして。丁寧な仕事ぶりに、密かに感謝している人がいます。

辛い時でも、笑顔を絶やさない。その笑顔に、誰かが救われています。


そうやって、貴女はいつも、たくさん頑張っているでしょう?

だからちょっと、疲れてしまったのですよね。


「大したことはしていない」?

いいえ。貴女は当たり前に思っていらっしゃるかもしれませんが、誰にでもできることではないのです。


私はいつも、貴女の存在に救われていますよ。

貴女は居るだけで誰かを癒せるような、すごい力を持っているのです。



大丈夫、貴女はいつも頑張っています。

だから、今は少しばかり、肩の力を抜いてください。


頑張り方を知っているから、休んでもちゃんと戻って来られます。

貴女は頑張り方を知っている。今は調子が出ないだけ。


貴女は、休むことのほうが、得意じゃないなんですよね。

周りの人に申し訳なく思ってしまったり、自分を情けなく思ってしまったり。



頑張れない日が、あってもいいのです。

今まで頑張りすぎちゃっただけですから。


時には多少の無理も必要でしょう。

けれど無理をしすぎて貴女が壊れてしまったら……。

困る人がいます。

悲しむ人がいます。

少なくとも、私がそうです。


だから、ね、今だけは。

飛び疲れたその羽を、ほんのひととき、労ってあげてはくださいませんか。


今はゆっくり、おやすみなさい。


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