第23話 ストレッチしましょう(2)


では、上半身のストレッチをしましょう。

床に座ったままで構いませんので、脚は胡坐あぐらなど、安定して座れる形で楽にしてください。


まずは両手を組んで、ウンと上に伸びあがってみましょう。

脇を伸ばし、肩を引き上げることも大切ですが、さらにもう一息。重力で下に縮こまっているお腹まで、引っ張り上げるように意識してみてください。

軽く左右に揺すってみても構いません。

胸やお腹の空間が広がり、背骨も整っていきますね。

腕が疲れたら、一度下ろして、もう一度引っ張り上げましょう。



今度は、体の側面を伸ばしていきますね。側屈です。

右手を床に下ろしたら、息を吸いながら左手を頭上へ高く伸ばします。

脇をしっかり伸ばしたまま、吐きながら右へ倒していきましょう。そう、無理のない範囲で構いません。


体を深く倒しすぎると、呼吸がしにくくなってしまいます。倒すよりも、左手を遠くへと引き伸ばすイメージです。

お尻が浮いてしまわないようご注意ください。浮いてくるようなら、お尻の左側をグッと床に押し付けて、左手と互いに遠くへ引っ張り合いましょう。


そうして左側の側面――腰、脇腹、腋と、気持ちよく伸ばしていきます。

そう、お上手ですよ。

あばら骨一本一本の隙間を広げるように。さらに深い呼吸を意識して、内側からも押し広げていきましょう。


じゅうぶんに伸ばせたら、今度は反対側です。

一旦体をまっすぐに起こしてから、右手を上に伸ばし、息を吐きながら左に倒していきましょう。



上体がやわらかくほぐれたところで、今度はひねりを加えてみましょう。

普段は意識しなければ使いにくい、斜めの筋肉を刺激して、ウエストのくびれにも効果的ですよ。


まずはピンと背筋を伸ばしてください。そのまま背骨が曲がらないよう注意して、上体をゆっくり右へとひねっていきましょう。

左手を右腿の外側に添えて。右手は後ろの床についておきましょう。


首も、つらくない範囲で後ろを向いて。「スマホ首」などで凝りがちな胸鎖乳突筋きょうさにゅうとつきんもストレッチできます。

ああ、肩が少し上がってしまっていますね。力まないよう楽にして、左右水平を保ちましょう。

無理にねじると、身体が歪んだり、呼吸がしにくくなったりしてしまいます。ゆったりとした呼吸を通しながら、吐く息と共に少しずつ深めていってくださいね。


ゆっくり正面に戻ったら、もう一度背筋を伸ばしてから、反対側も行います。



最後に、肩回しをしておきましょう。

右手を右肩、左手を左肩に添えて、ぐるりと肘を後ろに回します。貴女の心地好い範囲と速さで、数回繰り返してください。


日常生活では、どうしても肩を動かす範囲が狭くなりがちです。

猫背・巻き肩・肩こり、そして頭痛などにもつながりますので、作業の合間など、いつでも気づいたときに回しておくと良いですよ。



今回はバランスをとりやすくフォームの確認しやすいよう、床の上に座って行いましたが、これらのストレッチのほとんどは立ったままでも可能です。


前屈なら、足をそろえて真っ直ぐに立ち、手を床に近づけていきます。この場合も、腰や背中を曲げるのではなく股関節で折りたたむようにしてください。

側屈なら、軽く足を広げて立ち、左腕を上げてゆっくり右側へと倒します。下の手は腰に添えるとバランスを保ちやすいですよ。ラジオ体操でもおなじみの動きですね。


また上半身のストレッチは、椅子に掛けたままでもできます。

デスクワークで疲れたら、周りの人に不審がられない範囲で、伸びやひねりで体をほぐしましょう。


長時間同じ姿勢をとり続けると、筋肉がこり固まってしまうだけでなく、血行も悪くなり代謝が下がります。

休憩時間や一日の終わりに、貴女のやりやすいタイミングと方法で、日常にストレッチを取り入れてみてください。



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