第7話 心もデトックス・1
素敵な水筒をお持ちですね。
ああ、水分摂取を実践してくださっているのですか。それは素晴らしい。
暑くなるにつれて、適切な水分摂取はますます重要になってきますから、しっかりと習慣づけておきたいですね。
体内の潤い不足が解消されて、体のデトックスができるようになってきたら、今度は心のデトックスなんていかがでしょう?
「瞑想」は心身をリラックスさせ、ストレス緩和、集中力向上などの効果があります。心に巣食う余計な思考やネガティブな感情をスッキリとさせてくれますよ。
瞑想にも様々なものがありますが、呼吸に集中する方法なら取り組みやすいのではないでしょうか。
ゆったりとした姿勢で、何も考えず、自分自身の呼吸だけに集中します。
そうして「いま現在」この瞬間だけを見つめるのです。
まずは、楽な姿勢で座ってください。
バランスが悪いと体の歪みにつながってしまいますので、お尻の左右に均等に体重がかかるようにしましょう。
椅子やソファに腰掛けていただいても構いません。
次は、前後にも安定するように、骨盤を立てます。
わかりにくければ、お尻を前後に軽く揺らして、しっくりくる位置を探してみてください。おっと、腰だけ揺らしてもダメですよ。
骨盤が後ろに倒れてしまっていると、どうしても背骨が曲がって、疲れてしまいます。骨盤の上に背骨を積み重ねて、その上に頭を乗せて支えます。
目は閉じておくか、半眼で斜め45度くらいを見下ろしておきましょう。
手のひらを上に向け、太ももの上にそっと乗せてください。
おや、肩が上がってしまっていますね。
力を抜いて、胸を開いておきましょう。呼吸も深くなりますよ。
では、鼻から吸って、ゆっくりと吐き出します。
ああ、また心にモヤモヤが溜まってきているのですか?
それでは、溜息のように吐き出してしまいましょう。
鼻から深く吸い込んで。口からほぅっと吐き出して。
何回か繰り返して、スッキリとしてきたら、鼻から吸い・鼻から吐く呼吸に切り替えてください。
吐く息を長めにすると、リラックス効果が高まりますが、難しいことは考えなくて良いのです。まずは貴女自身が楽に行える呼吸で、全身に新鮮な空気を届けて。
鼻から吸い込んだ空気が、ゆっくりと全身を巡って、体の隅々にまで行き渡ります。
そして吐く息では、体の中に滞っていた余分なもの――疲れ・だるさ、強張りや緊張が流れ出ていく。
そんなイメージで、ゆったりとした呼吸を続けてください。
奥歯に力が入っていませんか? 頬や眉間の緊張も緩めてあげてください。
辛い時でも笑顔を絶やさない、その頑張り屋さんの表情筋たちも、今は休ませてあげましょう。
ああ、だいぶ良くなってきましたね。
肩や首も、もっと力を抜いて良いのですよ。
そうです、リラックスして。
余計なことは考えず、呼吸だけに集中しましょう。
ゆったりと吸って、ゆっくりと吐く。
続けていくうちに、力が抜けて自然な呼吸が行えるようになってきます。
そうすると今度は、頭の中でもつれて絡まっていた思考の糸が、だんだんほぐれていきます。
そこに絡めとられて滞っていた、漠然とした感情や考えが、次第に流れ出してきます。
ほら、貴女の頭の中に、雑念となって次々と浮かんできているでしょう?
そう、雑念は浮かんでも構わないのです。思考の渋滞が、流れ始めた証なのですから。
けれど、それらを追いかけないで。
自由に好きなところへ行かせてあげましょう。
貴女自身は、また呼吸に意識を戻してください。
雑念が浮かんでは、手放し、また呼吸に戻ってくる――これを繰り返すうちに、こんがらかっていた思考の糸がほどけて、頭が軽くなるでしょう。
朝に行えば、渋滞のない頭でスイスイとものを考えられるようになり、仕事の効率も上がりますよ。
また、一日を終える頃には再び渋滞が起きていることでしょうから、寝る前にも交通整理をしてあげると良いですね。
この状態まで辿り着くには、15~20分ほど続けるのが効果的です。
しかし忙しい毎日の中で朝晩20分をとるのは難しいかもしれませんから、その場合は5分程度でも構いません。
短い時間でもそれなりに効果はありますし、習慣化することで効果が得やすくなります。
例えば、時間のない平日の朝は5分、夜に10分、そして仕事が早めに終わった日の夜や休日など、1週間のうちどこかで、15分以上の瞑想を行うようにしてみてはいかがでしょう?
時計をチラチラ見てしまうのは良くありませんので、タイマーをかけて行うと良いでしょう。でも、そのタイマーが鳴るのを待たないで。
「終了時間」のことを考えるのは、未来を考えること。
瞑想の間は、過去や未来に囚われず、現在の貴女自身だけに集中してください。
近くを走る車の音や周囲の生活音が気になって集中できないようなら、自然音をごく小さな音量で流してみてはいかがでしょう。
波音、小川のせせらぎ、鳥のさえずり、風の声……。静かで、穏やかな、リラックスできるものがいいですね。
ヒーリングミュージックであっても、旋律のあるものは音を追いかけてしまいやすいので避けたほうが良いでしょう。
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