第14話 人違いです
「「「は?」」」
誘拐犯の声が綺麗にがぶった。
(まじかこいつら…)
でもまぁ、人違いならすぐに解放してくれるだろう。それなら僕だって別にどうってことは無い。
(これ以上面倒なことに巻き込まれるのは勘弁だからな)
そう思った僕は犯人に1つ提案をする。
「なぁ、人違いなんだろ。だったら早く僕を解放してくれないか。」
「いいや、お前を解放することは出来ない。警察になにか言われるかもしれないし、それにお前でも少しは金を持ってるだろ。」
男たちのリーダーなのだろう。運転席の男が応えてきた。
そう来るか、確かに犯人からしたら顔を知られてる俺が警察になにか告げ口するのは嫌なことかもしれない。
(まぁ、する気は無いけどな)
そんなこんなをしているうちにもう廃倉庫のようなところに着いた。多分ここがこいつらの拠点なのだろう。
「んで、いくら欲しいんだ。」
早く開放されたい僕は金を払えば解決すると思い。リーダーであろう男に身代金の金額を聞いた。
「んーそうだな。100万だ。100万を用意するよう親にでも伝えろ。」
はぁ…。僕はため息しか出なかった。いや割とマジで。
いやいやいや、自分たちの顔も知られてるのに誘拐した奴に連絡させるなよ。警察にでも通報されたらどうする気だよ。
いや、何度も言うけどする気は無いんだけどね。
「はぁ…」
僕が大きなため息をつきたながらこころさんに連絡を取ろうとスマホに手をかけたその瞬間…
「警察だ!大人しく手を挙げろ!」
なんと警察が突入してきたのだ。
ちなみに僕は警察には連絡してないし、パトカーのサイレンなんて聞こえなかった。
「なんで警察がここに。おい、坊主お前警察に連絡したのか!」
「するわけねぇだろ!そんな面倒なこと、それに今連絡してもこんな早くつくはずがねぇよ!」
流石にこれには男たちも驚いたのだろう。いや、マジで僕も驚いた。だが、男たちは警察にすぐ取り押さえられてすぐに大人しくなった。
「ほんとにどうしてここに…」
「それは私が連絡したからよ。」
僕の疑問に応えるとともにこころさんがそこにいた。
なるほどこころさんの差し金か。
さっきまで馬鹿なことを考えてた僕も馬鹿に思えてきた。そうだ。こころさんがいるじゃないか、何を1人度解決しようとしていたんだろう。
(ほんとバカだな僕は)
そんなことを考えながらこころさんが来てくれたことに安心するのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます