第11話 さぼり

 指導室から出た僕は1人屋上で青く広い空を見ていた。

 今の時間は11:24分。あと1分もしないうちに4時間目の授業が始まるだろう。

 確か次は数学だったな。ならば大丈夫だろう。

 僕は数学は学年の上位に入れるだけの頭はある。つまり、授業に出なくてもなんとかなるって話だ。

 それにさっき先生も言っていた。無理をしなくてもいいと。ならばそれを行おうではないか。

 そう考えた僕は少しだけキツい日差しの下で眠るのだった。


         ◇◆◇


 キーンコーンカーンコーン


「ふぁ…。」


 チャイムの音で目覚めた僕はポケットの中に入れてあるスマホを出して時間を確認する。

 ちょうど4時間目の授業が終わった時間帯だった。

 ならもうそろそろここも騒がしくなるだろう。

 それを証明するかの如く階段からはバタバタと足音が聞こえてきた。


「砺波くん。なんでさっきの授業サボってたの!」


「なんでって、サボるのに理由なんかいちいちある人の方が少ないいんじゃないですか?」


「委員長。」


 そうこの人は僕たちのクラスの学級委員長。性格は見てわかる通り超が着くほどの真面目だ。おまけに生成優秀に運動神経抜群。非の打ち所がないとはこういうことだろう。まさに僕とは真逆の人だ。


「あなたねぇ…。はぁ、あなたがサボるとクラスのイメージが悪くなるの。」


 確かに僕がサボる事でクラスに悪いイメージが着いてしまうのは免れないだろう。だが、


「委員長。僕からしたらあのクラスはちょっとの間僕が学校を休んだだけで僕のことを忘れるような人達なんですよ。」


 それに加え話題にはしないがどうせこころさんを虐めてる奴らでもある。僕からしたらそんな奴らと一緒に居たいだなんて思えるわけが無い。


「でも、単位とかも考えなきゃいけないんで次の授業にはちゃんと出るんで安心してください。」


 だが、ここで委員長と雑談をしていれるほど僕も暇じゃない。

 せっかくの昼休みをこんなことで潰すのは勿体ない。

 そう思った僕は屋上を後にする。

ドアの奥から委員長が何かを言っている声が聞こえたがそれも今の僕にとってはもはや関係のない事だ。

 そうして僕はいつもの場所に向かうのであった。


 


 

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