第2話 告白
翌日。
今日は体調が良かったので久々に学校に来ていた。
ゆかりさん曰くこころさんは放課後になると必ず決まった所に居るという。
だから僕はその場所へと足を運ぶのであった。
◇◆◇
「ここか。」
僕は図書室の前に来ていた。ここに毎日放課後になるとこころさんは来ているらしい。
少なからず緊張はするが先に進まなければならない。
僕はそんな覚悟とともにドアを開けるのであった。
ドアを開けると入ってすぐの机にこころさんが読書をしていた。
「こころさん。」
「僕の付き合ってください!!」
「………………」
こころさんは特に驚くことも無くただただ無言で僕のことを見ていた。
僕も告白をした人として言わせてもらうと無言になられると言うものほど怖いことは無い。なんだろうか漠然とした言葉では言い表せない恐怖が襲ってくる。
だからといって振られたい訳でもないんだけどな。
◇◆◇
「…何か用?」
私はいきなり告白してきた男にそう辛辣な言葉を返した。
私はこの能力をあまり使いたくはない。人の見たくない感情まで見てえしまうからだ。
だが、こういう時は例外である。
私は能力を使い男の心情を読み取る。
「え!?」
余りにも予想外のこと過ぎて思わず声が出てしまった。
「…救うって…どういう…。」
でも、これ以上能力を使っても余計混乱するだけだと思い私は少し痛みを覚える額に手を当てながらため息を着くのだった。
いきなり額に手を当てながら溜息をつき始めたこころさん。
てか、よくよく考えてみたら告白するって振られたらそこで終わりじゃないか。なんという大博打!
「ねぇ。」
こころさんが話しかけてきた。
「貴方知ってるんでしょ。私が人の心を読む能力を持っているってこと。プライベートなんてあったもんじゃない。それに、私と一緒に居たら貴方までいじめっ子に目をつけられるかもしれないし、…最悪いじめられるかもしれない。そいういことを分かっててこんなことをしているの。」
やはりこころさんは優しい。こんな初対面の僕に心配をしてくれる。本当にこんな能力さえ持っていなければ好かれる人だったのだろう。
「僕はそういうことも全部わかってて告白している。それに僕は…」
それにこれは僕の自己満足に過ぎない。
「学校でハブられてるからね。」
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