兼任──②

【まえがき】


 情報解禁!!!!


 いつも当作品をお読み下さり、ありがとうございます!

 この度、当作品の発売タイトルが正式に決まりましたので、報告致します!


 題して!


『唯一無二の最強テイマー 〜国の全てのギルドで門前払いされたから、他国に行ってスローライフします〜』


 です!

 だいぶ簡略化されて、わかりやすくなりました!


 これからも『唯一無二の最強テイマー』をお楽しみください!



 ──────────



「コハクさ〜ん。実はコハクさんとお話したいという輩……ではなく、お方が来ているんですが〜。ちょっとお時間よろしいですか〜?」

「え? ああ、はい。大丈夫です」



 はて、俺と話したい人?

 一体誰だろう?


 トワさんが「どうぞ〜」と気だるそうな声で隣の部屋にいる人を呼ぶ。


 と、そこから現れたのは。



「コハクくん、こんにちは」

「やあ、コハク」

「あっ。アシュアさん、レオンさん!」



 バトルギルドの最高戦力、剣聖アシュアさんと、バトルギルドのギルドマスターにして、英雄レオンさん。


 この2人が俺に用事……? なんだろう、心当たりが無さすぎる。



「本当はこんな話し合いの場すら設けたくなかったのですが〜。コハクさんの意思を聞かずに突っぱねるのもどうかと思いまして〜」

「トワは席を外してくれていいんだよ。ここからは男の話し合いだ」

「ふふふ〜。ショタが『男の話し合いだ(キリッ)』とかウケます〜」



 バチバチッ。バチバチバチッ。

 うーん、相変わらず仲が悪いな、この2人。



「まあまあ。マスター、トワさん、落ち着いてください。トワさん、この度は話し合いの場を設けて下さり、ありがとうございます」

「おやおや〜、剣聖様はいい子ですねぇ〜。どこかのチビと違って」

「言葉の悪い年増にとっては、後光が差してるように見えるだろう?」



 なんなのこの人達。口喧嘩しに来たの? 帰っていい?



「あの……それで、お話ってなんですか?」

「ああ、そうだった。すまない、待たせた」



 レオンさんが俺の前に、1つの包みを置いた。

 さっき見たプラチナプレートが入っていた包みと同じくらいの大きさだ。


 レオンさんがその包みを開けると、そこから現れたのは──。



「えっ……こ、これは、まさか……!?」

「ああ、その通りだ。──コハク、君をバトルギルドのプラチナプレートとして迎え入れたい」



 え、え、え……? 迎え入れるって……え?



「引き抜きってことですか……?」

「む? ああ、違う違う。正確には、テイマーギルドのハンターとバトルギルドのハンターを兼任して欲しいという意味だ」



 けんにん……兼任?

 それこそ訳がわからない。兼任ってどういうことだ?


 首を傾げていると、アシュアさんが説明してくれた。



「コハクくん。君の力は偉大で、強力だ。攻撃力、防御力、拘束力、採掘力、索敵力、殲滅力。それら全てで秀でている」

「……つまり、それらを最大限活かすために、バトルギルドに入って欲しいってことですか?」

「簡単に言えばそうなる。しかし、もちろんコハクくんにもメリットはあるよ」



 俺がバトルギルドに入ることで得られるメリット……なんだろう、わからない。



「実は、この間みたいに君を狙った犯罪というのは、本来ならギルド内でのみ対応することになっている。この場合は、テイマーギルドだけでって意味だ」

「そうだったんですか? え、それじゃあなんであの時は……?」

「君は僕らやマスターの友人だからね。あの時は特例だったんだ」



 そう、だったのか。

 これは本格的に、バトルギルドの皆さんに足を向けて寝られないよ。



「それに加えて、サノア……君の姉がロウンを狙った。それで俺達が奴らを狙うには十分すぎる理由ができたけど……今後、同じようなことが起きるとは限らない。コハクくんだけを狙った組織が現れる可能性がある」

「つまり、その時に俺を助けてくれるための口実作りってことですか?」

「その通りだよ」



 仲間であれば無条件で助けられる。

 でも別ギルドに所属していた場合、それは難しい。

 なるほど、これは嬉しい提案だ。



『ご主人様。この提案、受けた方がよろしいかと』

『私もそう思うわ。私達がいればコハクは最強無敵だけど、仲間はいた方がいいに決まってるもの』

『なかま! なまか!』

『然り。我も同意します』



 みんなも賛成みたいだ。

 確かにこれは魅力的な提案だ。バトルギルド……それもミスリルプレートの皆さんや、レオンさんまで無償で助けてくれる。


 でも。



「あの、デメリットとかないんですかね? そこが怖いというか……」

「デメリット? そうだな……バトルギルドに所属している場合、3日に1度は討伐依頼を受けないと降格させられる、とか?」

「シビアッッッ!」

「もちろん、コハクくんはテイマーギルドとの兼任だから、ある程度融通は利くよ。ね、マスター?」



 アシュアさんがレオンさんに問うと、にこやかに笑った。



「もちろんだ。それにコハクは、魔王や七魔極をぶちのめすという大役がある。ある程度大目に見ようじゃないか」

「だってさ」



 なるほど、そういう事だったら……。



「……それでは、謹んで受けさせてもらいます」

「本当かい!? ありがとう、コハク!」



 レオンさんは嬉しそうに笑い、俺の左胸にバトルギルドのプラチナプレートを付けた。


 ……重い。物理的な重みじゃなくて、責任とか重圧とか。そういった重みを感じる。


 今日から俺は、テイマーギルドのプラチナプレート兼バトルギルドのプラチナプレートのハンター、か。


 ……肩書きが長い!

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