出動、エルフの森。


馬車に揺れられること約三十分。二人は街にたどり着いていた。早速やる事は街のギルドベースへの登録である。これをしておくと色々有利に立ち回ることが出来る。まず食材の買取価格が若干上がる。これが割とシャレにならないのである。と言うのも割と普通の店だと二束三文で足を見られて買いたたかれるのだ。正規の値段で買ってくれる場所と言うだけでもかなり貴重であるのに、それに一二割程度の割り増しがあるのであれば多少の金は惜しみなく使えるという物である。


「という訳で二セルンでカードを購入してきた」


「成程……それでこれからどうするんですか?」


「とりあえず依頼を受けながら金を貯め、色々と……旨い飯を食う。一人旅であればそうするだ折ろうな」


「はぁ……」


まぁ今はフィルという料理人がいるので、依頼を受けながら食材を調達してそれを彼女に料理して貰うと言った感じになるのである。という訳で早速適当な依頼に目を通しながらいい感じの物を探していく。面倒くさい依頼ばかりであるが一つ良さそうな依頼を発見する。それは『エルフの森でスパイスツリーの採取』という依頼であった。


「スパイスツリー……ですか?」


「あぁ、知ってるか?」


「名前だけですが……」


「まぁ普通はそんな感じだろうな。実際俺も聞いたことはあっても見たことは少ないからな」


スパイスツリーとは、動く木である。基本的に大人しい性格であり、木の実が強烈なスパイスとなる木である。簡単に言えばこの依頼はその収穫を手伝ってくれという物である。大人しいから楽なんじゃないの?と思うだろうが、なんとも厄介なことにたまに葉っぱの色が黄色い奴がいるのだ。こいつはかなり危険な奴であり、実際こいつに喧嘩を売りに行った冒険者が殺されると言った事件も起きている。なので今回の依頼レベルは三、相当なものであった。


「よしこいつにしよう。で、付いてくるか?」


「当然です!既に覚悟は出来ていますから!」


という訳で早速そのエルフの森という場所に向かう事にした二人。どこにあるのだと聞くフィルに対し、カバネは現在いる森の中で上に指を刺した。上を見るフィル、しかし見えるのはどこまでも緑色な葉っぱだけ。どこにあるという質問に上というのがそもそもよく分からない話であるが、カバネは唐突に登山などに使うロックピックを取り出した。


「あの、なぜロックピックを……?」


「ん?これから木を登るからだよ」


そう言うとフィルの服にチェーンを付け、カバネが付けているベルトに固定する。背中に乗るように指示すると、そのまま木を登って行く。かなりの高さであるが、平然としているカバネと、覚悟を決めてきたと言ったが流石に上るのは想定外であったようで怯えるフィル。


「大丈夫か?」


「凄い高いんですけど……!」


「まぁな」


恐怖という感情が死んでいるのか?と言わんばかりの行動であるが、実際のところは割とカバネもビビっている。何にと言うと上のエルフ達にであるが。奴らは途轍もなく気性が荒いのだ。通称が戦闘民族とまで言われているほどであった。何とも恐ろしい事である。一応前に出会った奴は何とか話が通じるレベルの奴であったので何とかなるかと思っていた。


「さてどこに出るか……!」


葉を掻き分け頭を出してみると、そこはエルフの村の近くであった。とりあえずここであれば襲われることは無いのでフィルも葉を掻き分けて木の上に座らせる。この木の名前は『メガツリー』。デカい木であり、相当な時間をかけて成長したとされている。木の上に生活することも出来る程には強靭な枝が特徴である。強いて言うなら木頂部分は酸素がやや薄いという事であろうか。


「何か……息が苦しいですね……」


「そうか?……いや俺は大丈夫だがフィルは大丈夫じゃねぇな。よし持ってきていた酸素マスクを付けな」


こんな事もあろうかと事前に用意していたマスク、これは酸素マスクである。中に『オーオー』という名前の葉っぱを入れている。ちょいと太陽に当ててしまえば十時間程酸素を発生させるという優れもの。しかも切り離して使う事も出来る。とは言え切り離して使うと一日と持たずに枯れてしまうが。


「あー……大分良くなりました!」


「そうか。ま、苦しくなったらいつでも言ってくれよな!」


そんな二人は早速エルフの村に向かう。村の前には弓とボウガンを持ったエルフが見回りをしているようであった。一応一度殺しあった仲なので分かるかなと思いながら早速向かう事にした。当然ながら弓を向けられた。しかし何事だと見ている人混みの中から、カバネの顔を知っている奴がやってくる。


「お前カバネか?」


「よぉリョッカ。……早速で悪いんだがこいつらの誤解を解いてくれねぇか?」


この二人は以前エルフの村に来たときに血みどろの殺し合いを行い、その結果仲良くなったエルフである。年は二百歳以上になるがエルフ一族からすれば若者同然との事。基本的にここのエルフは肉食もするし、狩りもする。そもそも草食系エルフは絶滅危惧レベルなのだ。今はエルフも多種化する時代である。


「で、そっちのちびっ子は?」


「俺の相棒、フィルだ。ほらあいつが俺と殺し合いをして仲良くなったリョッカだ、悪い奴じゃないからな?」


「は、はぁ……」


悪い奴じゃないと言われても、その肌から見える生傷のせいでそうは見えないと思ってしまうフィル。事実、殺し合いをして仲良くなるとか言う時点で大分印象はアレである。そんなフィルを後目に早速今回の依頼について話していくカバネ。スパイスツリーはどうだと聞くと、リョッカは目を伏せこう告げた。


「今年は過去最悪の不猟年だ。どいつもこいつも黄色葉ばかり、まともに収穫できたのはたった一本だけだった」


「マジかよ……収入は?」


「正直なところ、採算が全く取れない。なぜ奴らが活性化しているのかが分からない以上、無駄に手を出すと今度は赤色になってしまうかもしれないからな」


スパイスツリーは、確かに温厚な生命体である。しかしそれは葉が緑色の時だけであり、黄色の時は多少暴力的になり、赤色の時は人動物見境なく殺してまわる化け物と化す。今は黄色が多いようで、スパイスツリーの収穫が滞っているらしい。


「確かに色が赤に近いとスパイスツリーから採れるスパイスの質もよくなる。だがそれ以上に危険なんだ。お嬢ちゃん、実は人間の街で売られているスパイスは全部緑色のスパイスツリーだって知ってるかい?」


「と言われましても……赤色とか黄色とかはよく分かりませんが、食べたことが無いので……」


「そう言うと思って黄色スパイスツリーの実を用意しています!確かお嬢さんは料理人なんだよね?」


「そ、そうですね……」


暗に料理を食べたいと言っているのだろう。その意図を読み取ったフィルは話を聞きながら料理をすることにした。今回作るのはスパイスを塗して焼いた鳥の丸焼きである。それを齧る三人、カバネはなぜこれが売られないのかというのを何となく理解していた。


「濃いな」


「ですね……」


このスパイス、メチャクチャ濃いのである。本当にこれ鳥?という程の物であり、余りにもスパイス感が強すぎるのである。まぶして焼いただけで鳥の味を完全に殺しているくらいには強い。顔をしかめ、余りの辛さにため息すら出てくる始末。ただ塩辛いだけでないのが少しムカつく話である。何はともあれなぜこれが市場に出てこないのかは何となくわかった。


「こりゃキツイわ……」


「うぅ……しょっぱいです……」


「やっぱ人間にゃ塩辛いかぁ……俺らでも食う奴は物好き呼ばわりされるレベルだからな。だから黄色をたとえ狩ったとしても売れないんだよ」


「成程なぁ」


とは言え不味いという訳では無い。かなりスパイスが効いているというだけで。何とか完食した後、リョッカの元に何やらエルフの少女らしき二人が走ってくる。彼女達はリョッカを呼ぶと、後ろにいるエルフ達にも話を告げる。


「どうしたツボミ、……とホウシ。後皆……?」


「リョッカの兄ちゃん!皆が兄ちゃんに言う事があるって!」


「……リョッカ、俺らが今ヤバイ状況に陥ってることは分かるよな?」


「あぁ。そのくらいは、流石にな」


「今日、黄色を倒しに行く」


それはもう後戻りが出来ないと言う程の事であった。何せあの黄色との戦いだけでもかなりの死傷者が出るからであり、当然皆行きたくは無いのだ。しかしそれをしなくてはならない程の状況に追い詰められている。であればあの黄色を狩りせめてもの日銭にするしかないのである。


「……お前らマジで言ってるのか!?最悪死人が出るぞ!前回のあの事件を忘れたのか!?」


「……我々だって忘れている訳では無い。しかしそれ以上に今は危機的状態にある。特に家畜に餌が与えられないのが問題なのだ」


「……分かった。……カバネ、悪いがそう言う事だ。今回は……」


「いいや?乗り掛かった舟って奴だ、俺も協力してやるよ」


正直、今回スパイスツリーの実の種類など指定されていないので黄色の実を提出してしまえばいいかと考えた。それに友人が困っているのであれば助けない理由は無い。早速黄色がいる場所へ向かうエルフ達とカバネ。そしてしばらく進むと無駄に開けた場所に出る。当然だが戦闘が出来ない奴は連れてきていない。フィルはともかく幼いエルフ(百年も経っていないエルフ)は連れてきていない。


「さぁ皆、武器を持て!いざ出陣の時だ!」


そして剣を持ったエルフ達が先陣を切り、その後ろから弓を持ったエルフ達が応戦する。黄色達は敵が来ているのを見ると、枝を伸ばしそれを迎撃する。カバネとリョッカの二人はゴリゴリに前線におり、カバネは剣で切りつけながらの攻撃、樹皮を切り裂きながら枝と根を切りつつ身を回収していく。


「どのくらいあればいい!?」


「籠三つ!それが最低ラインだ!」


「了解!」


正直もっと強いと思っていたが、少なくとも剣で斬れるくらいの硬さしかない事に少し悲しみを覚えるカバネ。実際は上からも下からも平気で攻撃が飛んでくるのでメチャクチャ厄介なのであるが、今のカバネにはそんなに通用していない。特にスパイスツリーは樹皮を斬られるとかなり弱体化する。鎧を剥がされたような物であるからである。


「彼のおかげで犠牲が出ずに済みそうだ……」


「しかし何か気味が悪いな。……何というか、明らかに狩りやすい場所にいるというか……」


「とにかく今は目の前にいる奴らを倒すだけだ!弓兵はしばらくしたら実を取る事に集中しろ!」


そんなことが行われているさなか、子供エルフ達は完全に暇しているようであった。フィルはその間に帰ってきたときにお腹が空いているだろうという事で料理を作っていた。これだけスパイスがあれば、チキンカレーを作るのがいいだろうと考え現在は乾煎りしているフィル。一応言っておくとここにいるエルフのほとんどはフィルよりも強い。


「兄ちゃんはスパイスツリーを倒しに行って、みーんないなくなっちゃった」


「暇!……ねぇ、こっそり見に行かない?」


「……いいね!」


エルフの寿命は確かに長い、しかし数が多くない理由にエルフの子供は警戒心が薄いという事があげられる。ただでさえ一生涯に産む数はたったの三人以下と言ったレベルであるのに、それが死んでしまっては元も子もない。そんな事など一切知らず、先程リョッカを迎えに来た二人は黄色がいる場所に向かうのであった。


「そもそも、黄色って言うけど、そんなに危険なの?って感じだよね」


「分かる分かる。出てくるなら出て来いってんだ!」


そんな二人のいるところに、とあるスパイスツリーが向かっていた。そいつは葉の色が真っ赤に染まったスパイスツリーであった。枝の部分は野生動物を大量に殺害してきたのか血で染まり、明らかに知能を持っているような動き方をしている奴であった。


「よーし行こー!」


「おー!」


そんな事とは知らず、二人は進んでいくのであった。そして一方のカバネとリョッカは一旦実を村に置くことにした。今のところは二人いなくなっても問題ないので村まで走る。そしてたどり着いた時、リョッカはある事に気が付く。それはさっきの奴らがいなくなっているという事であった。元々人数は少ないので簡単に気が付いてしまう。当然見てないかを聞くリョッカ。


「おいお前ら、ツボミとホウシがどこに行ったか分かるか?!」


「ううん、分かんない」


「……まさか見に行ったんじゃねぇだろうなぁ……!?」


嫌な予感がすると、二人は走り出した。何かあってからでは遅いのだ。そして少しした場所に、見慣れた髪の毛が見える。エルフ特有の緑色の髪、そして小さい姿、間違いなくあの二人であると考え、リョッカはスパイツリー目掛けて弓を放つ。リョッカの弓は凄まじい強弓であり、すぐに攻撃するにはかなり厳しいものである。……通常なら。


「生きてるなら返事をしろぉーッ!」


リョッカの強弓は彼専用に作られている。彼の力に耐えられるように設計されているので、瞬間的な火力にも耐える事が出来る。ボウガンよりも強力な一撃がスパイスツリーに向けて放たれるが、赤い葉のスパイスツリーにはそれは届かない。枝でキャッチされてしまう。そしてツリーはどうやらこちらを認識したようで、その巨体を二人の方に向ける。


「あいつらはリョッカ!お前に任せるぞ!」


そう言うと、折った剣を思いきりツリーに向けて投げつける。それも受け取ろうとするツリーであるが、流石に全面斬撃の物を受け止めることは出来ず、枝分かれを起こしながら切れていく。その間にカバネは二人の服を掴んで思いきりリョッカに向け投げつける。二人を受け取ったリョッカは村に向けて走り出した。


「そいつの足止めは頼んだ!……すぐに戻る!」


「あぁ分かった……!だが倒しちまっても構わないよなぁ?!」


剣の斬撃関数は全部で十まである。硬度も十まである。しかし全部十にすると壊れるので合計数を十にしないと十全には使えないのである。なので今回は斬撃を八、硬度を二にした。持ち手の部分以外はもはや全部切れるというレベルの物。しかしそれを加味してなおまだ傷が付く程度にしかならないという事実、割と厳しい戦いになるなと思いながら間合いを詰めていくのであった。


「最低五分は耐えなきゃぁなぁ……!」


そう言うカバネを後目に、ツリーは自らの枝を伸ばし攻撃を放つ。飛びのこうとするカバネだが、明らかに後ろを確認してみる。するとその後ろに枝があるのが見える。後ろに飛びのいていたらこれに突き刺さっていたであろう。だが所詮は浅知恵である。前に突っ込めば良いだけの話、枝を弾きながら突き進む。基本的にこいつらには筋があり、それに沿って切り込みを入れ樹皮を引っぺがすというのが基本になる。そうする事で生身の部分を丸見えに出来るのだ。


「いやか……ってぇ!?なんだこの硬さ!?」


しかし流石は赤色、全く縦に剣筋が通らない。完全に通らないわけでは無いのが腹立つところであるが、一応突き刺さる事には刺さるのであるが、それまでである、内部には攻撃が届かない。何とも面倒くさい話である。


「十で行くか……いやそれをしても無駄か。それに攻撃するのも無理臭くなるからな」


切れ味を十にすると恐らく切れると思うのだが、それをすると自分の腕も切れるのでする気は無いし、やりたくもない。だが実際装甲が抜けないというにはとても厄介である。そもそも中身を攻撃しないと致命傷にならない辺り黄色も赤も同じようなものである。


「とりあえず突き刺さったけどよぉ……」


無理矢理へし折った物を突き刺せるか試してみたところ、何とか突き刺さった。……が、正直なところ中まで剣が入って行かないのだ。かなり鎧を貫いて剣を刺しても刺さりにくいように、どうやら樹皮がその役割を担っているようであった。


「何でもありじゃねぇかよこれじゃぁ……!リョッカァ!さっさと帰ってこーい!」


せめて二対一になれば何とかなるのだろう。事実、サシで戦っているカバネは勝てるかどうか分かっていなかった。半分くらい無理そうだと思ってもいた。だが間違いなく足止めは出来ていたことを示すように、遠くから凄まじい威力の矢が飛んでくる。誰が撃ったのかは一目でわかる。


「遅れたなカバネェ!」


後ろから声が聞こえた時、カバネは自らの剣を折り、後ろに思いきり投げつけていた。リョッカもまた、その意図を察したようであった。弓を思いきり引き絞りその剣をセットする。もはやカバネの頭を撃ちぬくような場所へ弓を射った。


「全く、……そう来ないとなぁ!」


剣をしゃがんで避け、斜め上に切るように剣を振るう。すると斜めに切られた時の剣がするりと入って行った。ここでカバネとリョッカは気が付いた。奴の繊維は斜めにあるという事に。しかし分かったところで中々切りつける事が出来ない。明らかに防御集中するような形に枝を動かしている。


「こいつ防御に回りやがったぞ!」


「自己修復持ちかよ……!だがもう遅いんじゃぁねぇのか?」


何とか修復しようとするツリーであったが、完全に自分の手を気にすることなくなったカバネの剣でメタクソに斬られていく。攻撃しようとすれば後ろのリョッカがその枝を狙撃し撃ちぬく。攻防完璧に後手に回られているツリー。


「これで……最後ッ!」


切れ込みが入った場所へ、遂に内部へと剣が届く。だがツリーは最後の抵抗と言わんばかりに、自らの実を爆裂させた。粉塵爆発という物を知っているだろうか?それの応用で爆裂させたのである。当然ツリーは砕け散るが、二人は何とかその爆裂を逃げていた。


「なんだよ最後のアレ……?!」


「……しかし最後っ屁みたいなもんだ。……幸い実とかは残ってるから持って帰ろうぜ」


そして何とか赤を倒した二人はその実を拾い、サッサと撤退することにしたのであった。二個しか実は手に入らなかったが、それで十分である。ギルドベースにはこれを提出することにして、里へと戻る。里では既に黄色の実を大量に獲得していたエルフ達が帰ってきていた。


「リョッカ!帰ってきたか!」


「あぁ!しかも赤い実を回収してきたからな!」


そんな感じで皆が落ち着いた時、フィルが先ほどから作っていたカレーを持ってきた。既に寸胴で作りなおしており、スパイスの乾煎りから水を入れ、鳥に下味をつけ焼きそれを入れ煮込み、煮づらい物は既に火を通し後で入れる。しばらく煮込んだ後でいい匂いがしてきたらもうほとんど完成である。


「皆さーん!カレーが出来上がりましたよー!」


「よっしゃカレーだ!」「俺らも久々に食うな!」「お嬢ちゃん期待してるからな!」


米を皿によそり、ルーを好きなだけかけていく。割とそれぞれ好き放題かけていき、最終的に何とか全員分の量が間に合ったのである。そしてカバネ達は早速それを食していく。一口食べるとスパイスの辛みがカバネの舌を襲う。だがしつこい辛みではない、すっきりと抜けるような爽やかな辛みである。その次にちょうどいいくらいに煮込まれた鶏肉を感じる。肉としては確かに言っちゃぁ何だが駄目であるが、これはカレーとして考えた場合最高にホロホロ感が楽しめるのだ。


「この野菜とかはうちの野菜を使ったのか?」


「そうですね。今回はあの羊さんに生えてる野菜を使わせていただきました!」


「そうか。ま、旨く作って貰えれば問題ないか!」


野菜に関しては程よく歯ごたえがある硬さであり、このカレーに程よいアクセントを加えている。添え物のらっきょう漬けもいい塩梅である。そしてその後、カバネとフィルは街に帰ることにしたのであった。


「じゃあなリョッカ!」


「また来いよカバネ!」


友人に別れを告げ、黄色の実を一籠と赤い実を一つ持ち、ギルドベースへと向かうのであった。

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