旅初日で問題発生。


「……という訳で、今あの草原はかなり生態系が乱れていることになっている。これを機にあそこにいる奴らを狩ってもいいんじゃないか?」


村に蜜を渡し、街にあるギルドベースにやってきたカバネは、あの大地の一滴がある草原の今の情報を金に換えていた。こんな情報がいくらで売れるんだと思うだろうが、あの草原はかなり面倒くさい場所であり、そのくせ有用な素材が取れるのだからムカつく話である。そして今はテリトリーもクソも無い殺し合いをしている状況にある。となれば今がチャンスなのだ。


「成程……それでどのくらいの金額でお売りになりますか?」


「十五セルン(一セルン=約千円)で行けるか?」


「その程度でしたら安い方です」


そう言うと受付嬢は紙幣を取り出しカバネへと渡す。それを確認するとカバネはこの島の最も栄えている場所である『ハル=スピス』という街に行くことに決めた。あそこであればもっといい条件の依頼や美味しい飯などがあるだろう。そう考えたからである。早速業者に頼んで馬車の席を購入、翌朝に出発するとの事なので今日は適当な宿屋で眠る事にした。


「そうだな……おっ、ここの宿屋とか良さそうだな」


とりあえず目に付いた場所に入ってみることにしたカバネ、中はほとんど客がおらず、一瞬入ったことを後悔しかけたが、厨房から漂ってくるいい匂いにここで良いかという判断を下した。店員を待っているカバネの前に、一人の少女がやってくる。彼女がここの従業員の一人であるらしく、エプロン姿でやってきていた。


「はーい!お客様ですか?」


「あぁ。ここはいくらだ?」


「一泊ですと二セルン、食事付きですと二セルンと三ヒャルク(一ヒャルク=百円)です!」


「そうか。じゃあ食事付きの方で」


「かしこまりました!」


そう言うとぱたぱたと店の奥に走っていく少女。部屋は上の階らしいので鍵を持って早速上の階に向かうカバネ。鍵に書かれている部屋に入ってみると、案外普通の部屋であった。ベッドに机とその上に乗っているランプ、後はトイレくらいである。風呂は無いようであった。確認の為に外を見てみると、一応露天風呂はあるようだった。


「成程なぁ……」


と言っても正直暇なので下の階で飯でも食おうとしたカバネ、すると何やら揉めているような会話を耳にする。それは先程の少女と三人ほどの大人の声であった。なぜかは分からないが若干隠れながらその話を聞くことにしたカバネ。その会話の内容は大体こんな感じであった。


「だからお前の両親の借金はいつ払い終えるんだぁ?!こんなチンケな宿屋でお前の借金が返せると思ってんのかよ?えぇ?」


「ですが、今日はお客様が……」


「知るかよ!良いか?明日までに十マルン(一マルン=一万円)稼げなかったら、お前の体で強制的に稼いでもらうからな!ま、もう夕方だから無理だろうけどな!」


ギャハハと言った感じで去って行く悪そうな男たち。陰で見ていたカバネもよく分からないなりに彼女へ話しかけることにした。少女はお客様を不安にさせてはいけないと気持ちを切り替え、料理を提供することにした。出されたのは『ルージャガ』のポタージュスープと『ハクサイサイ』のサラダ、そして『マイマイカモ』のステーキであった。


「へー……コレお前が作ったの?」


「はい!……この店は私一人で切り盛りしているので……いえ、何でもないです」


「ほーん……」


重要なところだけ聞いてしまったと後悔しつつも、旨いポタージュを啜りながら考える。このルージャガという芋、非常に厄介な食材なのである。と言うのもこいつはまるでカレーのルーのようにとろける芋なのだが、普通にやると少しゴロッとした感触が残ったままになってしまうのである。その為丁寧に裏ごししつつ、煮込むという面倒な作業が必要になる訳である。彼女はそれが出来ている。だからこそカバネは彼女に接触することにしたのであった。


「ねぇ、お前名前は?」


「えっ、私ですか!?……私は『フィル・ン・ルルゥ』といいます。はい」


「そうか。俺の名前は『カバネ』だ。まぁ本名は無駄に長いんでカバネと呼んでくれ。お前の事はフィルと呼ぼう」


「は、はぁ……」


いきなり名前を聞いてきたカバネの事を不審がっているフィルであったが、実際のところはこれからどうしようかという気持ちでいっぱいであった。基本的に十セルン=一マルンなのだ。あのギルドはセルンが多かったので処理する為にセルン換算で渡していたのである。紙幣の価値は同じだから問題ないと言う訳だ。普通に問題になりそうだがその辺を突っ込む奴はほとんどいない。指摘するだけ無駄であると考えている奴が多いからである。とまぁグダグダ言ってきたが今から十マルンを稼ぐのはほぼ不可能に近い。そもそも一セルン稼ぐのも彼女にとっては難しいというのに、それを百枚集めて来いというのだ。無理難題である。


「なぁフィル」


「な、何ですか?」


サラダを食い終えたカバネはここで不意に口を開く。カバネは確かに強い。剣もやたらと強い。しかし料理の腕は全くない。知識と実際にやるのではかなり違うのである。彼が出来るのは焼くのくらいである。しかもかなり雑な。だからこそ、彼は旅のお供に料理人を付けようとしていたのである。本当はデカい街でスカウトしようとしていたが予定変更である。彼女の料理の腕は良い物だと、そう判断しての一言。


「俺の専属料理人になってくれ」


「えぇ!?」


驚くフィルであるが、無理もない話であろう。いきなり脈絡もなくこんな事を言われては誰だって驚く。慌てた様子で既に空の皿を回収して厨房へと避難する。その間にカバネはステーキに手を付けていた。しっとりしていながらも中まで火が通っている。このマイマイカモという鳥は、鳥でありながらカタツムリのような殻を纏っている。なので火を通すときは普通殻ごと焼く奴が多い。しかしそれでは中まで火が通らないのである。一度殻の外からカモを絞める事で中身のカモを取り出し焼くのが正攻法となっているのだ。彼女はそれが出来ている。


「……ま、無理にとは言わん。明日の朝には出発するからそれまで考えてくれ」


「あ、あの……」


正直に言って、これは彼女の問題である。彼女がここが良いと言えばそれまでの話、この出会いは無かったことになるだけである。しかしカバネは何となく運命のような物を感じていた。この出会いは必然的なものであり、きっと彼女と出会うためにこの宿屋に泊まったのだろうと言えるほど、カバネはそう思っていた。露天風呂に入りながらそう考えるカバネであった。


「……カバネさんですか……」


一方のフィルはと言うとかなり迷っていた。この宿屋は騙された両親から強制的に受け継いでしまった物であるし、別に売ってしまっても構わないという場所であった。だからこそ彼女は悩んでいた。その彼女の悩みと言うのが逃げても奴らは追ってくるという話である。両親は既に連れていかれ、違法とも言える借金を背負わされたにも関わらず、自警団の奴らは対応しようとしなかった。すれば自分達がひどい目に合うからである。町の皆に迷惑をかけられない、だから逃げられないのである。


「……私はどうすれば……」


色々と考えながら、とりあえず風呂に入って心を落ち着かせようとするフィル。ところで既にカバネが先に入っているが、フィルは相当考えていたために彼の物に気が付くことなく風呂へと入って行く。そして風呂が見えると、そこに今まさに入っているカバネの姿が見えた。当然カバネもフィルの姿を見た。


「……」


「……」


お互いに何が起こっているのか分からない様子であるが、これだけは分かる。目の前に異性がいるという事である。先に動いたのはフィルであるが、足を滑らせて岩に激突しそうになってしまう。そんなフィルを助けるためにカバネはその体を支えた。当然だがカバネはタオルなど巻いておらず、フィルはと言うとタオルを手放してしまったようであった。これにより何が起こるのかと言うと、互いに生まれたままの姿を見たという事である。


「あ……そ、その……!?」


「あっちょっと待ってコレは……」


響くフィルの叫び声、初めて見た女性の体に興奮しつつも狼狽えるカバネ、二人が落ち着きを取り戻したのは占めて十分も後の事であった。落ち着いても顔を見合わせようとしない二人。そりゃまぁ気まずいのである。風呂は熱いが空気は寒い。そんな中、遂にそんな静寂を壊すかのようにカバネが口を開く。


「あ……あのさぁ」


「な、何ですか」


「……実はさっきの、なんか悪そうな奴らの話、全部聞いちゃってたんだよね……」


「……そうですか。……それであんなことを言い出したのですか?」


「いやそう言う訳じゃないな。お前が欲しいのは事実だ」


カバネの嘘偽りのない一言。料理人という訳では無い、単純に一人の人間として欲しいと思えたのである。それを聞いたフィルは、ポツリポツリと言葉を漏らしていく。それは彼女の両親についての話であった。


「……私の……私の両親は……あいつらに騙されて殺されました」


「何でだ?」


「……元々、こんな宿屋を作る気は無かったんです。……ですが父は宿屋を経営するのが夢だったんです。……そこを奴らは突いてきました。奴らは実際の価格よりも少ない値段を提出してこの宿屋を経てたのですが、その後から法外な値段を請求してきました。当然私の両親はそれに猛反発しましたが……その後、連れていかれて……!父さんと母さんは……!」


後半からは、怒りをあらわにしながら、叫ぶように話していた。カバネはその話を静かに聞いていた。そして一通り喋り終わると、フィルは大粒の涙を流しながら顔を手で覆った。涙をなるべく見せないように。だが無情にもこぼれ落ちていく涙。


「私には何もありません!……両親も家も、何にも……!」


もはや隠すことなく涙を流すフィル。カバネはそれを聞いてある事を話していく。


「あのなぁ、フィル。今お前は何も無いって言ったが、料理の腕はあるじゃねぇか」


「え……?」


「第一、それなら俺だって同じだからな?幼い頃に村を『ブラドロ』とか言うドラゴンみたいな魔獣に焼かれ、家も両親も何もかも無くしてんだ、俺。あの日以来、俺は馬鹿みたいに自分を鍛え上げた。……そしたら戦闘以外てんで駄目になっちまったんだ。一応料理の知識はあるがな、知ってるのと実際にやるのじゃ全然違う」


「……カバネさんは……辛くないんですか?」


「正直めっちゃ辛い。特に料理に関してはほんとマジで酷くてな?前に焼くだけをしくじって三日間くらい断食してた事があってだな……」


色々と話していたが、様々な話を聞いているうちにフィルの顔に笑顔が戻って行った。そしてカバネはそろそろ頃合いだろうとある事を切り出す。


「いいか?お前は料理の腕はあっても、食材を狩れない、そして俺は食材を狩れても料理の腕は一切ない。じゃあ互いにそれを補えばいいじゃねぇか。互いに足りないから、支えあって助け合えばいい。泣きたいときは俺が胸を貸してやる。……『相棒パートナー』ってのはそう言う事じゃねぇのか?」


「……カバネさん……カバネさぁぁん!!」


「おっと」


「私!本当は寂しかったんです!……父さんと母さんがいなくなってから!一年間の間誰も……誰も信じられませんでした!孤独でした!私……私は……!」


それを聞くと、フィルは今まで押さえつけてきた感情を暴露させる。カバネのタオルを掴みながら、思いきり泣く。カバネはそれを何も言わずに抱きしめる。そして散々泣いて泣き止んだ頃、すっかり夜が更けていたのであった。


「……その、あの何といいますか……」


「いやうん、俺もガラに無い事言っちゃったよホント……」


風呂から上がった後、二人は若干自己嫌悪に陥っていた。何をいきなり他人の目の前で言ったんだろうというような感じであったが、それでも互いに打ち解けあったようだった。そんな二人は、夜食を食べながらこれからどうするかを考えていた。別に夜逃げ自体は問題ではない、しかし奴らは何をしでかすか分からないのだ。世話になった街の人々に迷惑をかけたくないと、そう思っているフィルには見捨てるという事が出来ない。


「となると元を断つべきか……」


カバネはそう呟き、少しだけ考えた後それを実行することにした。敵は分かっている。この地域一帯を実質的に牛耳っている奴ら、『ピッグ・ブー』の奴らであろうと考えていた。裏社会では知らない奴はいないし、表社会でも名前は聞いたことはあると言ったような奴ら。殺人、強姦、放火……何でもやる屑の集団である。その一番上にいる奴、そいつは上と繋がりがあり、そいつが命令を下せば部下はそれに従う。たとえ非人道的行為であろうとも。


「……あれ?これもしかして行けるんじゃね?」


と、ここまで考えてカバネはある考えを思い付く。それはナイスアイディアという奴であった。早速その準備に移るカバネと、その作戦をやんわりと教えられたフィルなのであった。そして真夜中。ピッグ・ブーの本拠地ではボスが飯を食っていた。この時間に誰かが来ると機嫌が悪くなるので徹底的に周囲の警備をしているのだ。


「フン、で?あの小娘はどうだ?」


「ハハーッ!もうすぐ奴隷に出来るかと思われます!」


「そうか……あの女は高く売れるだろうな。確かに体はちょいと貧相だが料理の腕はある、料理が出来る奴隷は重宝されるんだよ……」


「それに飽きれば犯せばいいんですから楽な話ですよ!」


ガッハッハという笑い声が部屋の中に響く。今回の知らせは上機嫌になるような物だったらしく、珍しく酒を飲むことにしたようであった。部下にワインを持ってこさせ、それをグラスに注いでいく。ルビーレッドの色をしたそのワインを飲み、『カロチーズ』をツマミにしながら更に飲んでいく。するとそんな二人にある変化が訪れる。しばらくは普通に飲んでいたのだが、その内なぜか眠気が襲ってきた。


「おぉ……このワインはかなりキクなぁ……」


「そうでございますねぇ……なんだか眠くなってきましたよ……」


「そうか……では……寝ると……し……」


二人はグラスをテーブルに置くと、そのまま眠ってしまった。そんな二人を後目に、ある人物がその部屋に入ってきた。そう、カバネである。先日の草食動物に追われているさなか、ついでと言わんばかりにあの花の下にあった植物を回収していたのである。当然売却用であるが、その中に珍しいものを発見していたので採っておいたのだ。それが今回使用した物、『ネムコロリン』という花である。


「流石に特級危険物として指定されているだけの事はある……」


この花は一枚花弁を飲み物に入れるだけであら不思議、数十秒もしない間に飲んだ奴らはコロリンと眠ってしまうのである。それを今回潜入ついでに奴らの食事に混ぜておいたのだ。効果はてきめん、既に兵士たちは眠りこけている。そしてカバネがこの部屋に来た理由は一つ、こいつの不正を暴くためである。


「流石にいくら息がかかっているとは言え、実際の証拠を出されれば動かざるを得ないだろう……それに裏社会ってんなら一人適任者がいるんだよ俺の知り合いの中にな……」


出来る事なら関わりたくないけど。そう思いながらもカバネは不正の数々を持ちだし、部屋の壁に付けられている電話を手に取る。この世界では電話はかなり貴重な物。少なくとも庶民が買える値段ではないし、色々面倒くさい。そんな代物を使い、カバネはある人物に電話を送るのであった。


その翌日、早朝。カバネとフィルは共に行くことになった。あの後本格的に話し合い、フィルはこの世界を見に行きたいと決め、カバネの旅に付き合う事にしたのだ。という訳で魔法を使い厨房をしまうフィル。サラッととんでも無い事をしたことに驚くカバネ。


「ちょっと待って収納魔法使えんのお前?」


「あ、言ってませんでしたね。はい、使えますよ!」


「……マジかー……」


一応言っておくと、カバネは収納魔法を見たことがある。しかしその時は小さな瓶などをしまう程度の物であったのだ。しかしフィルは平然と厨房ごと収納したのである。流石にこれほどの魔力を持っているとは思わなかったし、目の前で見ると大分困惑もする。


「そう言えば、あいつらはどうなったんですか?カバネさんの話では大丈夫だと言っていましたが……」


「あぁ、もう問題ないさ」


二人が馬車に乗った時、ピッグ・ブーでは大騒ぎになっていた。カバネが持ちだした書類と、誰がやったのかと言う事であった。まさか部外者を易々と入れた挙句睡眠薬を飲まされ眠っていたなど考えない。醜い言い合いと押し付け合いが発生した後、そんな奴らの基地に乗り込んでくる兵士たち。


「誰が開けていいと言ったぁ!?」


「俺の考えだが?」


今は誰かに構っている暇など無いと言うように声を荒げるボスであったが、何と相手はこのピッグ・ブーでボスと呼ばれている相手、『ブルー・ル・ルーブ』であった。当然偽名である。そして奴は三つもやらかした。まず大ボス相手にため口で、しかも命令口調で話すと言う地雷を完全に踏んだこと、二つ目に睡眠薬程度で壊滅状態になるほどのクソザコ基地であると知らしめような物である体たらくさが露呈してしまったという事。そして何よりも、ここに大ボスがやってきているという事。


「で?お前かここの暫定ボスは」


「は、はい。そうであります」


「へー……俺がいない間に随分偉くなっちゃたね?」


「め、滅相もございません。そ、その……何といいますか……」


「俺はくだらない言い訳を聞きに来たわけじゃないんだよ?」


静かに、しかし明らかに怒気を孕んだその言葉は、ズシリとボスの頭の中に響く。というのも、大ボスが目の前に出てくるときというのは、決まって目の前の相手を始末する時だからである。つまりは殺しに来たという訳である。もうここに未来は無い。そう判断したのかここでボスを裏切り大ボスの味方に付こうとする奴がいた。


「わ、私は貴方様の事を信用していますとも!当然私がッ」


口を開き寝返ろうとした瞬間、大ボスはその口ごと銃で思いきり撃ちぬき吹っ飛ばした。悶絶する男、そして無慈悲にも大ボスの隣にいた奴に首を折られて死んでしまう。裏切り者がどうなるか示すためである。


「……まぁ、最悪お前がこの場所を私物化していたのを見逃したとしよう。……でもさぁ……じゃあなんでお前人身売買に手ぇ出した?」


遂に今回の本題に移ってしまった。大ボスは人身売買に関しては絶対にしていけないという決まりをつけており、これを破ると即処刑されるのである。だから誰も人身売買に手を染めることは無かった。……だが、目先の利益に目がくらみ、ボスはそれをしてしまった。


「お許しください!どうか、どうかお許しください!」


「許せ許せと喚くなよ、お前の死に方はどうせ豚の餌だからな。豚にゃぴったりの死に方だろ?」


何かを言おうとしたのだろう、ボスが立ち上がった瞬間、大量の魔法がピッグ・ブーを包んだ。まるでオーブンレンジで焼かれた豚肉のようにこんがりと焼きあがった裏切り者たちを見ながら、ブルーは帰って行くのであった。


そしてところ変わってカバネとフィルは、馬車に乗れていた。定員数が予定よりも少なかったので席を買い乗れたという訳なのである。新たな食材と料理を楽しみにしているカバネ、次はどんな料理を作ろうかと考えているフィル。そんな二人の旅はまだ始まったばかりである。

















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