第37話 裏
「どんなのあるかなぁ?」
ご飯がまだだったから部屋でゆっくりしていた。帰ってきたばかりだけど葵からもらったプレゼントもう見ちゃおうかな?でも、今見ちゃうとご飯の時間と重なって中断することになっちゃうよね。
「玲奈、ご飯できたわよ。」
「はーい。」
今見なくて良かったぁ。中断したら楽しみが半減どころかマイナスになっちゃうよ。
「見るより先にご飯だね。」
今日のご飯は何かなぁ。好きなもの並んでるかな?
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「ごちそうさま。美味しかった。」
晩ご飯は好きなものが2つもあった。いつもは無いか1つなのに。それに何でか赤飯もあったんだよね。
「お粗末様。ご飯も食べたし、玲奈に少し聞きたいことがあるの。」
「聞きたいこと?」
うーん……お母さんに怒られることはしてないよね。定期テストの結果だっていつもより何倍も良かったし。
「それはね……」
「それは?」
「今日のデートのことよ。」
「……ふぇ?」
お母さんが言うのを少し貯めたので重要なことだと思ったのに。全然そんなこと無くって今日のデートのことだった。
「え、それだけ?」
「それだけって……親になると子供の恋愛を聞きたくなるのよ。」
そんな迷惑なことあるんだ。知られるのも恥ずかしいのに自分から言わなくちゃならないなんて。
私が親になったらどうなるんだろう?私に子供が居て、その子供に好きな人がいる状態……聞きたくなっちゃう。私もお母さんのこと強く言えないや。
「それで?話してくれるかしら?」
「むぅ……話せば良いんでしょ。」
どうせ話すまで部屋に行かせてくれないと思うし。こういう時のお母さんの扱いを間違えると次のご飯から好きなものが暫くでなくなったりするんだよね。
「ありがとね。」
「じゃあ、まずは………」
こうなったらお母さんがもういいって言うまで話してあげるんだから!
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「それで家の前でお土産を交換して帰ってきたんだよ。」
「そうなのね。」
「今日はすごく楽しかった。また葵と何処かに行きたいなぁ。」
気づけばお母さんに全部話してた。だってお母さん聞き上手なんだもん。後は話さないって思ってもつい話しちゃった。
「それにしても玲奈はペンギンちゃんに負けちゃったのね。」
「むぅ……葵だって可愛いから構ってただけだし。ペンギンに取られたとかないもん。」
「拗ねてる時点で敗けを認めてるのよ。それにしても、最初のライバルがペンギンなんてねぇ。」
「今度は負けないもん。あのペンギンより可愛いって思ってくれるように頑張るもん!」
うぅ、動物だからってすぐに葵に気に入られちゃってさ。でも、何回も水族館に行く訳じゃないから次に行くときはもう恋人になってるかもだから。
「そういえば、プレゼントは開けなくても良いのかしら。」
「……あっ。忘れてた。」
元はと言えばお母さんが今日のことを聞きたいって言ったからじゃない?今日のことを話した後なのに手のひらで踊らされてるような気がする。
「じゃ、じゃあ私も部屋に戻………」
「ふふっ、ここまで来たら一緒に見たいな。」
「うぅ……分かったよぅ持ってきますぅ。」
まぁ、お母さんが見ててもプレゼントは葵が私のことを考えて買ったくれたものだから嬉しさはなくならないはず。
今度からはお母さん対策を最も厚くしよう。
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「じゃあ1つずつ出してくね。」
部屋から持ってきた袋の中身を1つずつ出していく。最初はどんなのが出てくるかな?あ、柔らかい。
「あっ、これって……」
「ペンギンね。」
私も買ったんだけど葵も買ってたんだね。私が見たときにはいなかったけど、見る時間ずれたのかな?
「このペンギン3月のぬいぐるみって?」
「3月の誕生日の人用のぬいぐるみだよ。この他にもカワウソとかもあった気がする。」
それにしても同じものを選ぶなんてね。見たときは実は葵から貰ったやつを返したんだと思ったよ。
「えっと、ぬいぐるみあるならあれもあるはず……あった。」
ガサゴソ
次に取り出したのはほぼセット扱いの浮き輪。15日の浮き輪は薄いけど綺麗な青色だった。こんな色だったんだね。
「これをこうしてっと……よしっ、可愛くなった。」
「あら、可愛いわね。」
私は浮き輪をペンギンの下から付けた。付ける時は浮き輪の片側を肩にかけてたんだけどそれがペンギンをへんてこ可愛い感じにしてくれた。
「……この色って……」
「どうしたのお母さん。」
「何でもないわ。それより、次のプレゼント見ないの?」
「あ、そうだね。」
まだ入ってるかな?……あ、あった。触った感触は硬い。ぬいぐるみじゃなさそうだし何なんだろ?えいっ。
「これは……ストラップ?」
「……あらあら。」
取り出したのは花?のストラップ。うーん、花なのかな?それにしては変な形してるし……
「お母さんこれ何か分かる?」
「ええ、分かるわ。それは………って言う花。」
………って言う花だったんだ。でも水族館なのに花の商品ってあったんだね。どこにあったんだろ。
「それにしても葵君も攻めてきたわね。」
「葵が攻めてきた?どういうこと?」
「部屋に戻ってからその花について調べてみると良いわよ。」
これを私に贈るってことに意味があったのかな?あ母さんが言うにはこの花のことを調べると分かるらしい。
「じゃあ部屋に戻るね。」
「煩くしないでね。」
「そんなことしないよぉ。」
もうっ、煩くしたことなんてそんないないのに。お母さんは私のこと信用しなさすぎだよ。そもそも何で煩くすれば良いのかな?
「ふぃ~疲れたぁ。あ、忘れないうちに調べなきゃ。」
部屋について早速もらっ花について調べてみることにする。えっと……
「………について」っと
あ、出てきた。とりあえず1番上のサイトかな。えーっと、………の花は……
【この花には…………や………という意味がある。どちらも独占欲が強めに出ている意味だ。】
「ふぇ?」
独占欲?その前は……「
「ふふ、ふふふ………やったぁ!」
あ、大声で行っちゃった。もう少し小さくしなきゃ。でも、嬉しいのが止まらないよ。どんどん溢れてきちゃう。
まだ間接的にだけど、ついに葵から大好きって言われたようなものだよ。やっと1歩進めた気がする。
「あ、でも明日の感想なんて言おう。」
私も大好きって言いたいけど、言ったら告白みたいになっちゃう。早く付き合いたいけど告白は葵からして欲しいのもある。
「うぐぐ……どうしよう。」
嬉しいことはあったものの悩むこともセットで付いてきて、そのまま悩むことになった。
良いのが思い付かないよぉ。
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