すぐにデレちゃう幼馴染

第36話 表

「わぁ、長いね。」

　俺たちは今クラゲを見ていた。水槽の中にいるクラゲはとても足？が長く俺には少し気持ち悪く見えた。

「クラゲって脳がないから何も考えずに生きてるんだよな。」

「そうなんだ。じゃあ、ただ餌食べてプカプカ浮かんでるってこと？」

「そうなるな。」

　せめて少し位は意識があって欲しかった。そうすれば夏の海のクラゲも人がいるところにはよってこないはずなのに。

「でも、何も考えずに生きれるっていうのは羨ましいな。」

「そうかなぁ。私は嫌だな。」

　俺もそんな風に生きてみたい。そんなことを思っていたが玲奈は違うらしい。何が嫌なんだろうか。

「だって何も考えないなら葵のことも考えれないんでしょ？そんなの嫌だし。」

「………」

「な、何か言ってよぉ」

　玲奈の恥ずかしがっている声が聞こえた。やばい嬉しいことを言われたという認識ができなかった。

　そうか、確かにそうなると俺も嫌だな。玲奈と一緒に過ごしたいし明日を考えるのもできなから玲奈との未来も考えられないんだよな。

「……やっぱ俺もクラゲは嫌だな。」

「何で？」

「玲奈と一緒だよ。玲奈のことを考える時間がなくなるから。」

「っ～～～～～～！」

　俺の言葉を聞き玲奈は悶絶しているようにした。どうしたんだ？俺何か変なこといっていないはずだ。

「どうした？」

「なんでもないよ！早くお土産コーナーに行こ！」

　玲奈はそういって歩き出す。歩くよりは少し速いのだがもしかして照れているのだろうか？

「………お土産コーナーどこだっけ。」

「分からないのかよ。」

　玲奈は先に歩いたのは良いが道が分からなかった。てっきり分かってるから先に行ったんだと思ったんだが。

「ほら、お土産コーナーはこっちだ。」

「……っ！うんっ。」

　玲奈の手を取り一緒に向かう。どんなものがあるだろうか？

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「いっぱいあるね。」

「結構広いな。」

　お土産コーナーは思ったよりも広く商品が沢山並んでいた。これならお土産に困ることはないだろう。

「ねぇ。」

「どうした。」

「お互い相手のお土産選んで後から渡しあわない？」

　ふむ、玲奈の話を要約すると、時間を決めてその時間内に相手に渡すお土産を選び買うと。買った後に渡しあいをするってことか？

　そうなると、俺は玲奈へのお土産を買うということか。選ぶのは難しそうだが、良いかもな。

「いいぞ。」

「じゃあ、30分後にここに来てね。」

　そういって玲奈は俺に渡すものを探しにいった。さて、俺も玲奈に渡すものを選んでいきますか。

　最初に足が止まったのは誕生日のぬいぐるみだった。動物のぬいぐるみが誕生月で浮き輪が誕生日のやつ。

　これは別セットだが2つで1つみたいなものだろう。しかも玲奈の誕生月の動物はペンギンだった。

「買うか。玲奈の誕生日は3月15日……」

　3月はペンギン、15日は少し薄い鮮やかな青色の浮き輪だった。その色を見て何か思い出せそうだったがギリギリのところで出てこなかった。

「よし、とりあえずはこれと……後1つは買いたい感じだ。」

　他に何か良いのないだろうか。とりあえずお土産コーナーを歩き回るがどれもしっくりこなかった。

「どうするか……」

「お客様、お探しものですか？」

「え？」

　後ろを振り向くと店員がいた。周りを見てみるが人がいないので俺に話しかけているんだろう。

「ああ、はい、連れとお土産を渡しあいするんですがなかなか良いのが見つからなくて。」

「そうだったんですか。お連れ様とはどんな関係ですか？」

「幼馴染の関係ですね。相手に好きな人はいるらしいんですが俺が一方的に好きな感じです。」

「そうなんですか。お連れ様は女性と……」

　店員は何か考えている。そもそもなんで俺に話しかけてきたのだろうか。話をしたいだけなら他の人のところにいって欲しいものなんだが。

「分かりました。そのような関係なら丁度良いものが1点ありますよ。」

「本当ですか？」

「ええ、その前に確認ですがお客様はお連れ様とどのような関係になりたいのですか？その答えで私は見せるかどうかを変えます。正直に答えてください。」

「……」

　俺が玲奈をどう思っている、か。最初はただの幼馴染だと思ってたんだよな。だけど些細なことで変わっていったんだった。

「俺は連れと付き合っていずれ結婚したいです。その役目は他の男に渡したくない。俺が付き合いたいのは連れだけです。」

　店員に正直に話してみる。初対面の店員に何を言っているんだと思わなくもない。しかし言わなければならない気がした。

「ふふ……合格です。では、商品の方へご案内しますね。」

　俺は店員についていき商品のところへ向かう。向かった先は人が全くいなかった。こんなところに商品があるのか？

「着きましたよ。こちらが商品です。」

　見せられたのはある花のストラップ。花なのは間違いないがこれを渡すのはどうかなと悩みそうな形だ。

「これは形で決めるものではないんです。お客様の心が決めたものです。」

「俺の心？」

　いったいどういうことだろうか。というかさりげなく心を読まれた気がするのだが気のせいだろうか。

「この花の花言葉は………です。お客様にぴったりだと思いますが。」

「それを俺が買って持つなら分かりますが探しているのは連れに渡すやつですよ。」

「だからです。」

　どういうことだろう。この店員の考えていることが分からなくなってきた。

「このストラップを渡してお連れ様に分からせるんですよ。花言葉で。」

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　あとがき☆

　少し長くなりそうなので分割しますね。

　ここで裏を挟んじゃうとよくない気がしてですね……

　皆さんは何の花か考えてみるのもいいかもしれません。ヒントあげたらすぐに分かっちゃう類いなので出しません。この状態で分かったらすごいです。

　玲奈ちゃんはいったい何を選んでいるんでしょうね。

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