第8話 裏
「ふんふふーん」
私は今自分の部屋で漫画を読んでいる。よくある少女漫画なんだけどこれがまた面白かった。今はヒロインが友達に恋愛相談をしているところ。もっとも、ヒロインはこれが恋だって分かってないんだけどね。
『ねぇ、俊君を見ると何でか胸がドキドキするの。それに他の女の子と話してたりするを見たら胸が苦しくなる。この気持ちなんだか分かる?』
『はぁ?あんたそんなことも知らないの?それはね……』
『あんたが俊君に恋しているってことなの!』
はぇ~、そうなんだ。好きな人がいると胸がドキドキしたり苦しくなるもんなんだねぇ。私もそんな相手できるのかなぁ。
「玲奈ぁ~。ご飯だよー」
1階からお母さんの声が聞こえた。むむ、今良い所なんだけどご飯ならしょうがないよね。
私はご飯を食べるために漫画を中断し1階に降りた。
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「ねぇ、お母さん。」
「なぁに?」
ご飯を食べ終わった後、私は少女漫画の様に胸がドキドキしたりするのかをお母さんに聞いてみることにした。お母さんもそうなってたりするのかなぁ。
「お母さんってさ、お父さんと付き合ってた頃って胸がドキドキしたことってあるの?」
「変なこと聞くわねー。私の場合はドキドキじゃなくて心地よさのほうが強かったかしら。」
「?」
じゃあお母さんはお父さんのことが好きじゃなかった?いやでも2人は結婚してるし愛し合っているはず。今でもラブラブなのに……
「その顔は分かってなさそうね。でも、良い機会だから教えちゃおうかしら。」
どうやらお母さんがちゃんと説明してくるらしい。
「好きと言ってもその感情は色々あるのよ。例えば玲奈の言ったように胸がドキドキしたりすることもあるし、私の様に一緒にいると心地良いって思うこともあるわ。その他にも……」
お母さんの恋愛講義はしばらく続いた。私が知らないいろんなことがあってビックリした。恋愛って人によって様々なんだね。でも1番多いのはやっぱりドキドキしたり胸が苦しくなったり痛くなったりすることなんだって。
「ふふ、玲奈もそういう相手、いるのかしらねぇ~。」
お母さんが茶化してくる。私にそんな相手いるわけないじゃん。胸がドキドキしたり苦しくなったりする相手なんて……
「そんなのいるわけ……」
「どうしたの?」
相手といると胸がドキドキしたり苦しくなる相手?苦しくなる?えっ、まさかね。
「あ、あのさぁ、お母さん。」
「どうしたの?なんか変になってるわよ?」
ニヤニヤ、ニヤニヤ
お母さんがニヤニヤしながら心配してくれる。言動と行動?表情があってないんだよね。でも、背に腹は変えられない。お母さんにニヤニヤされても知りたいことなのだから。
「た、例えばだよ?胸が苦しくなるときってさ、好きな人が他の女の子と話していたりする時に苦しくなったりって……する?」
意を決して聞いてみた。お母さんはニヤニヤしながら黙ってる。もうっ、早く答えて欲しいのに……
「ふふ、それはね……」
勿体ぶって間を長くするお母さん。早く、早く言って欲しいのに。自分の気持ちを確かめることができるかもしれないのに。
「……あるわよ。」
……えっ?嘘、嘘でしょ?い、いや、まだ決まった訳じゃないから。まだ聞きたいこといくつかあるもん。
「じゃ、じゃあ、その人と手とか繋いでたら嬉しかったりする?」
「何を言ってるのかしら?」
そ、そうだよね。嬉しくなるわけないよね。なら、私は大丈……
「そんなのなるに決まってるじゃない。」
「……」
ま、まだだからっ。後1つ聞きたいことあるからっ!私は自分の気持ちに知らないふりをしてお母さんに最後の質問をする。
「ね、ねぇ。恋人同士では抱き締めあったりするのは分かるけど、友達同士とかで抱き合うって……する?」
「それはね……」
最後の質問。これで私の気持ちを知ることができる。でもきっとこれは違うはず。私が……
「あり得ないんじゃないかしら。男女の友情なんてほぼ成立しないんだし。」
「……」
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私は気づいたら部屋にいた。ちゃんとお風呂にも入っていて髪も乾かしてる。後は寝るだけと言う状況。
私は自分の気持ちに気づいちゃった。私は、わたしは……
「葵のことが……好き?」
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あとがき
ここで一区切りになるかと思います。いやぁ、気づいてしまいましたねぇ(棒)。
自分の恋心に気づいた玲奈ちゃん。さてこれからはどうやって葵君と接していくのでしょうか。そこら辺をうまく表現していきたいなと思ってます。
まぁ、そんなに表現力もないんですけどね(汗)
でも、楽しいので頑張らせて貰います!
いつもハート、星などありがとうございます。
これを書いている日、週間(ラブコメ)で210位になっていました(エゴサ?)。皆さんが応援してくれたお陰です。
210位という1位から果てしなく遠い数字ですが私的には週間に乗れただけで大満足です。(1位を獲るのも難しいので、私が狙っても難しそう……)
1度くらいはなってみたいという願望はありますけどね……
これからもこの作品の応援お願いします!
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