第28話 理解し、痛感する

 部活が解散か・・・・。別に僕は困ることじゃないし、これは不幸にカウントされるものなのか?


 だが、安心する。僕が部活の皆と関わったことで、皆に不幸が伝染してしまうと恐れていた。だけど、結果はこれだ。結果的に未来を変えれなくても、皆が不幸になることはな・・・・。


 これが自己中心的ってやつか。僕は理解していなかった。


 先輩は廃部にしないために春に奔走していた。部活が大切だったから。


 姫花は廃部になると居場所がない。


 香乃は分からない。だけど、不幸なんだろう。


 そして僕もだ。心の中ではこの部活をかけがえのないものと思っていたのではないか。


 ・・・・それは考えすぎなのかな。


 とにかく、気付くことが出来てよかった。


 この部活を守らなければならない。


 何としても、未来を変えなければならない。


「・・・・佐?」


「あ、はい。どこ?」


 尋ねられたから姫花の方を見て、問題に目を通すけど、どこか分からない。


「私じゃないよ」


 問題を解いている姫花が答える。


「由芽ですー!」


 どうやら、香乃の声を姫花と間違えたらしい。声似てる・・・・似てないか。


「大丈夫? 私の原稿書く?」


 そう言って僕の前に原稿を出す。


「書かないよ。でも、香乃も勉強したら?」


 未来を変えるために、働きかける。


「ダメだよ!!! それなら私だけになるでしょ!」


「先輩・・・・」


 先輩が怒る。もしかしたら、この人をどうにかしなくちゃダメかもしれない。というかこの人が一番危ない。


「先輩も勉強しましょ。ほら、テストまであと一か月ですよ?」


「嫌だ!!!」


 駄々っ子と化した。一応、高校二年生ですよね?


「何で勉強しなくちゃいけないの!?」


「ホントだよ!!!!」


 文集の問題を僕にぶつけ、さらに流れへと乗ってしまう香乃。


 なるほど。僕は未来を変えるためにも、文集を完成させるためにも、根本的な問題である「何で勉強しなくちゃいけないの!?」を解決しなければならないらしい。それも、全員を説得出来る理由で。え? 噓でしょ?

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