5話 能力。

 ――俺の特殊能力は未来視、父さんの未来視を受け継いだ。子供だから使えないと思っていた。でも違った、俺の本当の特殊能力とは……。


「はははは!逃げているだけじゃ、俺には勝てねぇぞぉ!」


「わかった、もう逃げない」


 そして、俺は逃げるのを止めて相手を見る。俺の特殊能力なら、誰にも負けない!


「そうか、それならこれで、終わりだぁ!」


「――能力、解放。特殊能力発動、未来予知」


 これで相手の動きが予測できる。俺の本当の特殊能力とは……。


    『能力解放・かい


自身のあらゆる能力を解放し、一時的に能力値が倍になる。また、今まで見てきた特殊能力などを使用可能とする。父さんと母さんから受け継いだ特殊能力が融合した、俺だけの特殊能力。


「ああん?お前、今の攻撃どうやって避けた?」


「俺は、お前の動きを先読みして避けた。それだけだ」


「そうか、それがお前の特殊能力か。それだけなら俺には勝てねぇ!」


 しかし、俺は一樹の攻撃を避けて避けて避けまくる。


『おおっと!橘選手、東条選手の銃撃を全て避けています!』


『すごいですね、まさか彼にこれほどの力があるとは思いませんでした』


「もう、お前に勝ち目はない。俺は今まで、色んな特殊能力を見てきた」


「だからなんだ、それだけで俺が勝てないのか?」


「ああ、そういうことだ。お前は俺に――――負ける。特殊能力発動、言霊」


 俺がそう言った瞬間、東条一樹はその場に倒れた。

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