6話 順位。

――東条に勝った俺は、学園内で噂になっていた。それは当たり前の話だ、学園順位6位の東条に無傷で勝ってしまったのだから。


「――ねえ、あれが噂のGランクだった奴?」


「――そうそう、あの東条に無傷で勝ったんだって」


「それって東条が手加減したんじゃないの?」


「やっぱりそうだよね。そうじゃなきゃ、Gランクの人間が学園順位6位の東条に勝てるわけないよね」


 最終的に噂は『東条一樹が手加減した結果、負けた』というものになった。ところで今更だが、この学園の順位というものを説明しよう。


 学園順位とは、この学園にいる特殊能力者の価値数字で決められる。ここでは、自分よりも上の順位の人に勝つことによって、価値数字を上げることができる。だから、東条に勝ったことによって、俺も価値数字が上がった。


「価値数字150……。もう少し上がってもよくないか?」


 俺の価値数字は150になり、俺はGランクからEランクになった。


「――ランクアップおめでとうございます。橘瑞人君」


 後ろから声が聞こえ、俺は振り返る。そして、そこに立っていたのは……。


「――花嶺霞。なあ、お前はどのくらい強いんだ?」


 俺がそう言うと、彼女は笑う。――みにくゆがんだ笑顔で。






 ――――キャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!

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