第10話 真実

「彩音」

 そうね。

 私からの条件は、貴方が私の物になる事。

「誠」

 そんな条件が飲める訳が無いだろ?

 もし、条件を破棄したらどうする?

「彩音」

 そうね。

 貴方を殺してでも私の物にする。

 なぜなら、あなたは私を狂わせたからだよ。

「誠」

 そんなの知らないな。

 僕が君を狂わせただと?

 何を訳の分からない事言っている?

 僕には理解不能だった。

「彩音」

 そうかしら?

 あなたには、思い当たる事がある筈よ?

 あなたは、電車の中で痴漢から私を助けてくれたじゃない。その時、私はあなたに一目惚れしたのよ。

「誠」

 あれは、ただの善意だ。

 僕はあなたに好意があった訳では無い。

 これは、完全に貴方が片思いをしただけで

 あって僕には関係の無い話しだろ。

「彩音」

 アハハハハ。

 ねえ誠、貴方がそんな態度をとるなら

 無理矢理にでも犯すしか無いよね。

 ちょっとうるさいからさ、眠っていてね?。

「福田」

 やはり、お前だったか。

 彩音。お前が桜子に成りすましをしてたのか。

 お前を逮捕する。

「彩音」

 ちっ…。邪魔が入りやがった。

 いつからわかってたんだよ。

 そうさ、私が桜子に成りすましてた。

 後ちょっとだったのに。

 誠……。

 こうして彩音は、福田と複数の刑事に連行された。

 だが……恐怖はこれからだった。

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