第4話監禁と絶望

 あれ……ここはどこだろう。

 見た事のあるような無いような部屋だ。

 薄らと目を開けて、辺りを見回すと

 桜子の姿が見えた。

「桜子」

 おはよう。誠。

 目覚めたんだね。

 ごめんね誠。

 私はね……こんな事したくは無かったの。

 だけどね、誠が悪いんだよ?

 私と寄りを戻してくれない誠なんかいらないもん。

 だ…か…ら

 誠を私の部屋に監禁しました!

 これから私の事を見てくれるように、誠の事を調教するね!。

 あ、暴れないで!

 身体を拘束してるから!

 あまり、暴れるなら薬を使わなきゃいけないの。

 仕方が無いけど……注射打つね。

「誠」

 やめてくれー!!

「桜子」

 抵抗しても無駄だよ?

 はい打っちゃった。

「誠」

 あれ……意識が……

 だんだん意識が遠のいて行く。

 力が入らない。

 またか……

「桜子」

 あれ、薬の量を間違えたかな。

 アハハハハ

 まぁいいや。

 キスするね誠。

*目が覚める*

「誠」

あれ……桜子がいない。

チャンスが来た。

今なら逃げられる。

桜子は詰めが甘い。

簡単に拘束を外せるようになってるとは。

よし、動ける。

桜子が来ないうちに、この部屋から出なきゃ。

あれ、扉が開かない。

窓ならどうだろう……

痛い。窓ガラスには無数のガラスの破片が散りばめられていた。

手からは大量の血が……

くそっ。ここから、出れないとは。

僕には絶望しか無いのか。


部屋から出れないとなると後は隠れるだけしかない。

とりあえず、クローゼットに隠れよ。

足音が近ずいてくる。

ガチャ。

「桜子」

誠どこ?

どこに行ったの?

あれ、拘束が解かれている。

なんでだろう。

おかしいな。

逃げられる筈ないのに。

必ず見つけ出してあげるから。

諦めてないからね?

「誠」

やばい。必ず逃げなきゃ。死ぬ。

警察に訳を話そう。

あれ、携帯の電波が無いだと……。

僕は絶望した。

何か生き抜く術を探さなきゃ。



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