第3話「ドキドキ!真夜中の学校探検」

2-1.真夜中ピクニック~その1~

 ポケットの中のスマホを取り出す。

 時刻は、午後六時――。

 目的は言わずもがな、SNSでメッセを発信するためだ。帰宅して、着替えて、ちょっと夕飯前に彼女にメッセージする。

 付き合って間もないって事もあって、この感覚がすごく新鮮な気がしていい感じ。

 いまごろ春森はなにしてるんだろう?

 部屋でくつろいでいるかな? もしかして、勉強をしているんじゃないかな……くぅ~考えるだけで楽しくて仕方がねえぜ。

 だからこそ、思いを馳せて流すメッセージは格別ってもんだな。

 さて、春森はいるかなっと……ってあれ? おかしいな? いくら待てども期待するようなレスが返ってこないんだが。

 そのことに疑問を感じ、わずかに考えてつぶやく。



「お風呂入ってる……のかな?」



 だいたいそんなオチだろ。

 つまりは、しばし待てってこと――ならば、なにか暇つぶしを持て春森からの返信を待つべきだろう。

 ベッドから起き上がってテレビの前に座り込む。

 目的はただ一つ。

 目の前に置かれたプレイステージ4でゲームをするためだ。つまり、オレはいまからコイツで遊んで時間を潰そうというのだよ……ってなわけで、テレビ台の引き出しを開けて、中から適当なRPGを取り出してプレイすることにした。


《ズンチャチャズンチャン♪ ズンチャチャズンチャン♪》


 ――と思った矢先、スマホの着信音が鳴り響く。

 同時に掛けてきた相手の名前が表記される。

 春森からの電話だ――とっさに気付いて、慌ただしくもスマホの受話器ボタンを押して電話に出る。



「も、もしもし、春森!?」

「こんばんは、三田村君」

「どうしたの? SNSじゃなくて電話なんかしてきて」

「うん、電話の方が話しやすいかなって思ってね」

「話しやすい? もしかして、春森って直接話をした方が安心する派?」

「そうじゃないよ。ほら、この前女の子の秘密が知ることができたらって話をしたのを覚えてる?」

「ああ、映画館の時の話か。もちろん、覚えてるよ」



 電話を掛けてきて、なんで急にこの話題?

 いつもながら、春森は何を考えているのかよくわからない。オレはもっと恋人らしい甘いささやきみたいな話をしたかったのに。

 だけど、春森はそんなことに興味がないみたい。



「ねえ、三田村君。私の秘密、教えてあげる――いまから学校に来て」

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