ブックセンターの喫茶コーナー

「ねえ、朋美、あなたこのまま泣き寝入りするの」

 買ったばかりのファッション雑誌を読む朋美に、美智子は怒りをぶつけた。

「だって仕方ないでしょ、一郎さんは死んでしまったし」

「それじゃ朋美、次長と一緒になるの、それは絶対に許さないわよ」

「私がそんなこと考えている訳がないでしょ」

 と、言い訳する朋美に美智子はたたみ掛けた。

「朋美と次長が会っている所を見た人がいるのよ」

 

 一瞬朋美の顔が蒼ざめたように見えた。

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