行動記録 3日目 日曜日
真地間一郎宅
義弟の隆が運転する車中で、自見は佐藤女史に一昨日の電話の内容を明かした。県道沿いの脇道から地元の中学校を通り過ぎ、急坂を登っていくとそこが新興住宅地だった。
60戸程が一つのブロックになっているようで、真地間の家はそのブロック入口角にあった。慎ましやかな2階建ての家と、10坪程の庭、庭には金木犀が植えられていた。
約束の10時に間に合い、インターフォンを押した。直ぐ扉が開き中から小柄な老婦人が顔を出し、3人を招き入れた。
小さなリビングルームの横に和室があり、その一角に小さな平机が置かれ遺影が飾られていた。3人はそこで手を合わせ故人の冥福を祈った。
佐藤女史が
「お母さん、こちらが大同警備から、一郎さんの自殺について調査に見えました自見さんです」
「わざわざ東京から有難う御座いました。お待ちしておりました」
「遅れて申し訳ありませんでした。会社を代表して一郎さんの自殺の真相を追及し、お母さんに良い報告をお約束します」
が、そのやり取りを聞いていた真地間の妹幸子から
「自見さん、自見さんは会社で偉い方なのですか」
「いえ、本社では備品庫室係として働いています」
「失礼ですけど、そういう身分の方が、先ほど母に約束したことが可能なのですか。私たち、支社長に掛け合いましたが、取り扱ってくれませんでしたから」
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