行動記録 2日目 土曜日

妻の実家

 当初妻の実家に世話になることは考えていなかったが、佐藤女史と面談した数時間後、自見にまた電話が入った。


 冷静でいたつもりでも、今日一日の様々な出来事で興奮しているのか、寝付かれずにいて普段飲まない酒に口を付けたときの、フロントからの電話だった。


 あの佐藤女史が何か言い忘れたのかと思い受話器を取ると、低い男の声で、

「あまり詮索しない方が身のためですよ」と

「そう言う君は誰だ」

「そんなことはどうでも良いでしょう、ま、忠告しておきます」

 それで電話は切れた。

 翌朝、妻にそのことを連絡すると

「貴方、隆の所に行って、見張られているかもしれないわ」


 午前中は、非番公休で警備隊では面談出来なかった3名に会いに、近藤隊長の案内でそれぞれの家に向かった。

 近藤隊長にも、日頃の警備隊の様子や、真地間が何に悩んでいたか聞きただしたが、近藤は、私は名目的な隊長だからそれは分からないと言う。

 何も新情報を掴めぬまま、自見は近藤と別れたあと、昨日ホテルロビーで会った佐藤女史に電話を掛けた。

 それは一旦佐藤女史に義弟の家に来て貰い、細部を打ち合わせたのち

揃って真地間宅へ、と。


「お義兄さん、お久しぶりです、7年ぶりですね」と義弟の楚辺隆が声を掛け、隆の妻の峰子も

「お元気そうで何よりです、お義姉さんもお元気ですか」

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