拝読させていただきました。
面白かったです!
最初に意味深な単語を置いて行って伏線を張って、そして最後に開示するその流れがとても滑らかで、最後のびっくり箱をあけた中身から、歴史的事実を伴った様々なピースが出てきたようで、楽しませていただきました。
下調べと辻褄合わせは大変ですが、やっぱりこのピシッとはまった時の爽快感は、歴史ものならではですね。
そして何より、最後の継母との繋がりを示唆する会話、そして共に駆けるという行動、いずれも二人の暖かい関係性が感じられて、とても良かったです。
続く西の桶狭間が、より楽しみになりました。
ありがとうございました。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
こういう謎解き風味のお話を書いてみたのって、この話が初めてでした。
なので、いろいろと気を遣いまして……こじき若殿=毛利元就というのは、wikipediaでそういうあだ名があると知って、「これだ!」と思いつきました。
あまり知られていないからこそ、できるネタだと思いまして^^;
旅僧についても、正体を誰にするか結構悩んだりしました^^;
そうしたら、ぎりぎりで伊勢新九郎さんが生きていたので、ご老体に無理をしてもらいました(笑)
ラストシーン、継母との関係は、これは元就自身が書き残していて、「この人がいなければ、私は生きていられなかった」とか言ってますから、そこはクローズアップさせていただきました。
……そしてその辺が、「西の桶狭間」への伏線となっております^^;
こちらこそ、ありがとうございました。
こんばんは、御作を読みました。
たんぴって、読み方もあるんだ……。
驚かされたました。
ネタバラシ回も秀逸で、魅入られました。
若殿が歩む先は屍山血河の陰謀渦巻く戦場。いまだ大内が強大といえ、尼子もいるし、西には大友、東にも名家がごろごろ。
早雲に、山陰山陽の未来が予測できないはずはないだろうし……、一宿一飯の礼か、それとも乗り越えられると見込んで背中を押したのか。色々と考えさせられました。面白かったです。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
「たんぴ」すなわち「丹比」と書くパターンもあるとのことです。
でも「多治比」の方が「多治比猿掛城」と通じるから、「多治比」を採用しました^^;
しかし、せっかく多治比元就になったのに、兄上がアレな目に遭って、結局「毛利」元就となって、元就こそが毛利の名を世に知らしめるというのは、何とも歴史の皮肉というか何というか……。
ちなみに多治比元就さんが元服したばかりの頃は、一応、大内義興さんが頑張っていて、支配体制としてはアレでしたが(京に九州にと、周防にいない方が多い)、実は安定している方です。
問題はこの後、謀聖・尼子経久がヤンチャを始めちゃうところから、中国地方が混迷と混乱の渦に巻き込まれちゃうってところですね……(笑)
まあ、こればっかりは、さすがの早雲にも予測がつかないというか、そこまで知るかといったところでしょうか^^;
謎→ネタばらし という流れを始めてやってみたお話なので、そのあたりにお褒めをいただき、嬉しい限りです。
ありがとうございました。
遂に謎解き編ですね。思わず、毛利元就をウィキで検索して生い立ちを読んでしまいました。そんな生い立ちだったとは。これを物語に仕立てた作者の腕はすごいですね。しかも、それと分からぬ風に謎解きのように進める手法はなかなか読者の興味を引き付ける非凡な才能です。
しかも、それに北条早雲を絡めるとは、もう脱帽です。この取材力・構成力、見事としか言いようがありません。勉強になりました。
作者からの返信
むかし、大河ドラマ「毛利元就」を観たことがあって、その時のことが記憶に残っておりました。
で、改めて元就の生涯を調べてみると、過酷な少年時代を送っていることが分かり……その時ふと思いついたのです^^;
これで「こじき若殿」という主人公にして描けば、謎解き風味のお話が書ける、と。
あと、旅僧については斎藤道三(若い頃はお坊さんでした)も考えたんですが、道三は元就と同世代なんで、ちょっと人生を説くとかされても説得力が弱い(笑)
そこで、そういえば北条早雲も出家してたよなぁ、と思い出した次第です^^;
お褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございました。
やはり順を追って読んでいたなら
(毛利元就の初陣からスタートしたので)
もっと理解が深まっただろうなぁ
と、少し後悔しつつ。
でも、どこから入っていったとしても
ストーリーが面白いし
登場人物たちの魅力が
それぞれに引き立ち
そこに生まれる人間ドラマは
心にズシリとした重みがあります。
また、順を追って読み直したくなりました。
作者からの返信
何というか、私も毛利元就という男を理解するために書いたような作品です。
ここから「西の桶狭間」の執筆に向かいましたので、どこから読んでもいいようにしなかったことは、ちょっと残念に思っております^^;
しかしそれでも、作品をお楽しみいただけたようで、作者としてこれほど嬉しいことはありません。
ありがとうございました!
前日譚・外伝企画にご参加くださり、ありがとうございます。
歴史には詳しくないですが、面白く読めました。
文章も、歴史小説らしい古風な文体ですけれど、微細な感情表現が上手くて、すらすら読むことができました。
冒頭から惹きこまれました。
主人公は城を乗っ取られて、こじき生活の絶望からの、旅僧を助けたことへの転機。
でもこの旅僧はみすぼらしいし、助けたところで……と思ったら、まさかまさかの展開が!
若殿には物を差し出すわけでなく、口を差し出すあたりには、お坊さんらしいと思いました。
信心して、気持ちが上向きになる過程もよかったです。
仲よくなかった若殿と継母が、なんだかんだでお互いに思いやってる気持ちに感動しました。
井上の絶妙な立場が面白いです。城の乗っ取りって、こういう心理戦があるのですね。
若殿を討たずに放逐した理由とか、なるほどと感嘆いたしました。
素晴らしいお話をありがとうございました。
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
歴史ものは、ちょっと御企画と趣旨がちがうかもしれないなと思っていたところを、こうして受け入れていただいて、誠に恐縮です。
この作品、毛利元就という武将の若き日の、伝えられるところをベースに書いたものです。
どん底にいたところを、旅のお坊さんに、朝日に念仏十遍を教えられ、継母に支えられ、必死に生きて来た……と、元就自身が書いて伝えているのです。
じゃあそのお坊さんと具体的にどういうやり取りをしたのか、そして城を乗っ取った井上は何を考えていたのか……というところを、私なりに無い知恵しぼって考えた次第です。
そのあたりをご評価いただけたようで、何よりです。
ありがとうございました。
毛利元就の話でしたか!
私は広島在住ですが、地元の英雄についてほとんど何も知らず、恥ずかしい限りですが、元就の人間性がかいま見れたようで、何だか嬉しくなりました。
継母との関係もいいですね。
歴史について関心の深まる作品でした。
作者からの返信
割と知られていないのですが、毛利元就の前半生はかなりキツイものでして、そこをクローズアップしようというのが、拙作の狙いです。
私も大河ドラマを見るまでは全然知らなかったので、あまり人のことは言えません^^;
城を乗っ取られたという経験が、のちの知将としての飛躍をうながし、また、継母に支えられたという経験が、家族を大事にする男として成長させたのではないかと思います。
毛利元就というと、どうしても厳島の戦いとか三本の矢とかが着目されますが、そうでないところもある……という感歎が、執筆のきっかけです。
広島の方に、「嬉しくなりました」とコメントをいただけると、私も嬉しくなります。
ありがとうございました。
完結お疲れ様です。
なるほど。こじき若殿は、後の毛利元就でしたか。
そして旅の僧は、なんとあのお方だったとは!
こういう展開、いいですよね。
素敵なお話を、ありがとうございました。
作者からの返信
ありがとうございます。
お星さまもありがとうございました!
wikipediaで見ると、毛利元就のあだ名として「こじき若殿」が記載されていたのが、このお話を書くきっかけでした。それにしてもひどいあだ名を後世に残しているなぁと思ったものですが^^;
旅の僧の正体は、いろいろと考えたのですが、年齢とか、ああいうことやってもおかしくない異能異才の持ち主は、やはりあのお方しかいないと思い、御出馬願いました(笑)
互いに戦国を彩る人物同士の出会い、そしてこういう展開、一度書いてみたかったのです。
こちらこそ、お読みいただき、ありがとうございました!
歴史に疎いのですが、興味を引かれ、また流暢な文章も好きだったので読み始めました。面白かったです。
最後は歴史に詳しくないため、頑張って理解しました(汗) 実際、このように地位を奪われたり、逆に成り上がったりはあったのでしょうね。
継母が初めから実家を頼れば良かったのにとも思いましたが、結局、若殿に世を渡る知恵やら行動力やらが備わってなければ、そうしてもすぐに道は絶たれたんでしょうね。現代にも通じるような。
ラストの爽やかなシーンもいいですね!
親子には、血の繋がりだけでない絆もあると思いました。
作者からの返信
恐縮です。
この作品は「若殿と旅僧は誰なのか? 名前は?」というのが仕掛け(と言えるのかどうか怪しいですが)となっておりますので、説明不足なところが否めません。というか、説明が少ないので、分かりづらかったと思います。反省しきりです。
そこを読んでいただき、また、ご理解いただいて、まことに汗顔の至りです。
応仁の乱のあたりから、(乱で戦うため)守護大名が京都に常駐し、その大名の領地を任された家来が自立する……という傾向が見えてきます。歴史の教科書で見られる下剋上です。
また、下剋上とまではいかなくても、有力家臣が主君の妻子を放っておいて、自ら領地を支配することはあったと思います。拙作ではそのあたりをベースにいたしました。
継母=杉大方は、史実においても、若殿のそばから離れず、養育に励んだそうです。再婚の話もあったみたいですけど、それは断っていたみたいです。
おっしゃるとおり、継母は、元服前の若殿を実家に連れて行ったとしても、若殿のこれからにとって良くない、と感じていたと思います。実は、継母の実家=高橋家は、のちに毛利家を支配下にしようとします。継母はそのあたりを警戒したのでは、と思います。
ラストは、新年度が始まる4月に投稿したので、読む方にエールをと思い、爽やかさを意識いたしました。なので「いいですね!」と言っていただけると、大変嬉しいです!
若殿=毛利元就は、息子たちに、継母に頼って生きてきたと書き残しています。継母=杉大方も、死ぬまで元就から離れなかったようです。
戦国という時代において、こういう繋がりが苦難を乗り越えてきたのかという感嘆が、執筆のきっかけでした。
その感嘆を、お感じいただけたようで何よりです。
ありがとうございました。
素晴らしいの一言です。
早雲がこじき若殿と出会うための理由付けも見事でした。
作者からの返信
単純に高徳の僧侶が来て……だと、ちょっと物足りないなぁというのが動機でした。
毛利元就本人が「良いお坊さんが来て、念仏を教えてもらった。ありがたい」という趣旨のことを言ってますが、ここは何かやったろうというのが、この物語を書くきっかけなのです。
前述の斎藤道三パパとか考えたのですが、おっしゃるとおり、「出会うための理由」が思いつかないということと、説明が煩雑になるので泣く泣く却下しました^^;
……で、改めて、早雲で考えてみると、うまいこと毛利荘という土地とのリンクが。別作で北条家について調べといて良かった……と胸をなでおろした次第です(笑)
ありがとうございました。
編集済
多治比元就。すごいな。
義母との関係が、素敵すぎました。
後半部分の二人の会話。
ほんとの親子ともちがうし、恋人でもなくて。
とてもよかったです。
作者からの返信
彼が、「三人の息子」たちに書状の上で「私は大方様にすがって生きてきた」と言わしめたぐらい、深く、大きく結びついた関係だったんでしょう。
そういう元就と義母だからこそ、こういう、未来へ向けて羽ばたく、かつ、今のお互いを大事にする感じを心がけて、会話させました。
「よかった」と言っていただけて、何よりです。
ありがとうございました。
編集済
新九郎……胸がざわつくと思ったら、懐かしいあの御方ではございませぬか!いやはや、最後の最後で貴殿の代表作(現在のところ)に繋がるとは。(^_-)-☆
そして、多治比こと毛利元就が、ぬぼうっと巨人の全貌を見せ始める。
なんともお見事などんでん返し。のどかとも言えそうな冒頭からは想像もつかない展開に唖然としました。すごい才能! の一言です。👏
作者からの返信
本文付きレビュー、ありがとうございます。
面映ゆい限りです。
「rising sun」……朝日に念仏が、毛利元就を生涯支えつづけた習慣だったので、採用させていただきました。
新九郎……相模の毛利荘(大学の頃、このあたりに通っていたので^^;)と、京をつなげる人物は、やはり北条早雲しかいないよな、と御出馬願ったわけです(笑)
最初は、元就の初陣でもやろうかな、と思って調べていたら、この題名があだ名だということを知り、こういう話を書いたら面白かろうと思ったのがきっかけです。
今だから言いますが、題名で検索されたらバレてしまうので冷や冷やしていましたが、ここまで来られて、ホッとしている次第です。
いろいろと恐縮です。
ありがとうございました!
なるほど、「たんぴ」は多治比でしたか!
言われてみれば……ですねえ(笑)
謀神・毛利元就にこんな少年時代があったとは知りませんでした。
継母・杉大方との関係の変化もほろりとさせられました。
楽しかったです!
作者からの返信
お星さま、ありがとうございます。
「たんぴ」には諸説あります。
多治比だったり、丹比だったり(笑)
まあ、こういう「ゆらぎ」を見ると、どうしても遊びたくなる、しょうがない作者です^^;
中国の覇者、毛利元就。
三矢の教えとか、厳島とか、彼は大成後のエピソードが有名です。
でも、その少年時代はどうだったかというと、かなり厳しいものでした。
元々マイナーな戦国武将なので、その少年期となると、さらに知られていないだろうと思い、筆を執りました。
かなりヘビーな状況でしたが、史実の元就は、継母と支え合って、生き抜いたそうです。
そのあたりが、彼の家族を大事にする姿勢を形成したかもしれません^^;
ありがとうございました!