俺は『恋』と出会いの物語に感謝する。

第一章 『恋』と始まりの青春は突然やってくる。

１話 語り。

　この物語が始まる前に、私がこれから話すことを聞いてもらえると嬉しい。

　突然だが、もしもこの世界が偽りの世界だと言われたら、君たちは信じるか？普通の人なら信じないだろう。まあ、信じる信じないは君たちの自由だが。

　ところで君たちは、『恋』をしたことがあるか？また、『恋』がどのようなものかを、君たちは知っているか？

　私は、『恋』って「人との出会い」や「物語の始まり」に似ていると思うんだ。それがなぜかというと、「人との出会い」や「物語の始まり」とは、突然起きるイベントみたいな感じで、『恋』も突然始まるイベントのようなものって昔誰かが言っていたと思うんだ。

　だから私は、『恋』とは人との出会いの物語だと思うんだよ。

　――――ふふふ、何を言っているんだろうな、私は。

　おや？私の話だけでは飽きてしまうのか。そうか、それなら仕方ないな、私の話はここまでにしておくとするよ。

　では、これから始まる物語、１人の少年と少女たちの『恋』の物語をどうぞ、楽しんでいってくれ。

　ああ、そうだ、最後にひとつだけ君たちに伝えておくよ。これから始まる物語、主人公である、仲野竜一（なかのりゅういち）に災難が訪れる。

　それがどんな災難なのかは、読んでいけばわかると思うが、一度想像をしてから読んでみてほしい。

　――――それじゃあ、物語の始まりだ。