第30話 AIに小説を書かせてみたら、もうオレいらんてことになるだろうか②

 てなわけで「Alのべりすと」先生に代筆頂いたわけですが、どうやらスキルシステム+デスゲーム的な展開へ進まれたようです。

 今回はなんのチューニングもせずに書いてもらったのですが、細々したところを除けば一応は小説ぽいものにはなっているかと思われます。

 プレミアム会員になると人物像の注釈を付加できたりするらしく、そういうものを使うともっと描写が明確になったり、矛盾も少なくなるのかもしれません。


 さて、一つ素朴な疑問として思ったのは、先生はこの話をどういう風に収束させるつもりなのだろう、ということでした。

 先生は一回で100~200文字程度書かれるようですが、大きな流れを考慮した上で書いているのかは不明です。

 例えばアタクシ(人間)が先生の後を継いでこの続きを書くとしたら「この施設を支配している組織と戦い、その正体を暴いて施設を破壊してお終い」みたいな大まかなビジョンを立て、そこを着地点として話を考えると思います。

 ただ、一回数百文字程度で気に入らなければやり直しも出来るやり方で書いていたら、なかなか終わりに持って行くのは難しいように思います。

(その実験は追々やってみる事にします)


 ところで、展開や表現の仕方の個人的な好みはともかくとして、先生の書いた作品にはいくつか感心したところがあります。

 それは「展開の速さ」です。

 アタクシは結構導入部をネチネチ書くきらいがあり、自分で「展開おそ!」と突っ込むほどスロースターターなのですが、先生はそのへん早いです。

 なんか作品のキーワードぽい『世界の終わり』を早々に出し、さらにステータス(スキル)システム的な存在を続けて提示しています。

 アタクシが同じ内容を書いたとしたら、恐らく倍以上の文字数を費やしていると思います。


 ……で、思うわけですが、純粋な研究、技術開発の目的以外として、このようなツールって、どのように使えばいいのでしょうか。

 AIに書かせてみて、なんか面白そうだったら細部を自分で修正・加筆等する「原作AI、脚色自分」みたいなやり方も、もしかしたらあるかもしれません。

(※キチンと明記してやるならばそれも一つのやり方ですかね)

 しかし、それってやってて自分が面白いのか?と思わずにはいられません。

 少なくとも、アタクシは自分のカク活動のメインストリームにはしたくはないです。

 なので、個人的な使いどころとして考えられるのはこんなところでしょうか。


 ①エタッてもう絶対書けなさそうな作品を投げて完結の道筋をつけてもらう。

 ②展開に詰まったときに「アイデア出し」として使ってみる


 ①は、エタらせるくらいならいっそ他人(アプリですが)の手を借りてでも完結させてしまえ、というスタンスですね。……実はこれは実験として(もちろん明記して)ちょっとやってみようと思っております。


 ②は部分的な助言のような扱いと考えて使ってみる、ということですね。

「そこは自分でウーウー唸りながら考えて考えて書くのが書き手の矜持やろが」という考えもあるかと思います。アタクシもどちらかと言えばそっちよりです。

 しかし、プロの作家ならば編集者、アマチュアでも創作仲間や身近に読者(知人や家族など)がいれば、その意見や感想などを聞いて次を考えることもあるでしょう。

 ただ、アタクシのようにこういう活動を一切周りには明かさずに書いている人間はその機会はなかなか得られません。

 なのでAIにちょっとだけ先を何パターンか書かせてみてインスピレーションを得る、という使い方は場合によってはありかもしれません。

 まあ、あくまでカクのは自分が主体、という部分を保つ前提ですが。


 しかし、こういうツールが更に洗練されていったとしたら、自分はキャラや世界観、大まかなストーリーを考えるだけで、長編作品とかも楽に書けてしまうようになるかもしれません。特にテンプレ作品などとは親和性が高そうです。

 もしそれが「そこそこ面白い」ものになるとしたら、ある程度人気を得るにはこまめな更新がほぼ必須のWeb小説では「使える」ツールとなるかもしれませんね。

 ……あまり賛同はできませんが。


 まあ、今のところはまだ「巨漢の男」とかアタクシでもやらかしそうな間違いをする先生は可愛げがありますw


 さて、前回の先生の作品ですが、もう少しだけ続きを書いてもらいました。

 果たしていかなる展開を見せるのか!?


 ※※※↓ここからAIが書きました※※※


 そして、そこから現れたのは……

 ――グゥオオオッ!!

「ひぃいい! ば、化け物だぁああ!!」

 そう叫び声を上げ、我先にと部屋から飛び出して行く人々。しかし、その目の前にはまた新たな人影が現れていた。

「さて、ここから先は君たちの力を見せてもらうぞ? 存分に暴れてくれて構わない。もちろん、殺しても問題はない。むしろ積極的に殺しに行けばポイントも多くもらえるはずだ。頑張ってくれたまえ。あ、それと、施設内なら何をやってもいいし、外に行くのも自由だが、必ず入り口から出るように。では健闘を祈る」

 そう言い残して再び部屋から出て行く男。そして取り残された俺達は目の前に現れた異形の生物を見て唖然とした。

 何故ならそこにいたのは、人間と同じ形をした『何か』だったからだ。

 その姿を見た瞬間、俺はある事を思い出し、急いでステータス画面を開いた。

 するとそこにはこう書かれていた。


【種族名】人間 【名前】佐藤 浩二 【性別】男性 【年齢】37歳 Lv 1 HP 300/500+100 MP 100/100 +10 STR 10 AGI 20 DEX 30 VIT 5 INT 4 MND 3 SP 0 スキル 【剣術Lv2】

 ユニークスキル 【セーブ&ロード】

 称号 【異世界転移者】

 やはりそうだ。俺が思い出したのは『あの日』の事だった。


 ※※※↑ここまでAIが書きました※※※


 ああ、更に異世界+ゲーム的要素を追求しましたか……。


 ゴメン先生、あまりアタクシの趣味じゃないです。

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