第28.5話 とばっちり睡眠妨害

櫻木慎吾が帰宅した後、西野真奈美は酒を呷っていた。

いつか来る日のために、内緒で慎吾のサイズの服、下着一式を揃えておいた。

行為に及ぶ際に必要な道具も、一式揃えておいた。

完全に、おっ始める雰囲気だった。

それが、これである。

信じられない。

飲まなければ、やってられないのだ。


「うぅ〜〜、ほんっとばかぁ〜〜!!」


ヤケ酒の犠牲者は、酒を飲むと面倒になる1歳上で2学年上の先輩。

スタンプ爆撃、鬼電。

一般的に丑三つ時と呼ばれるこの時間帯に、先輩に対して――いや、そもそも他人に対して行うことでは絶対にない。


5回目のコールで、ようやくその人は出た。


『ふわぁい、なんだー……』

「小刀さん、今から家行っていいですか」

『……は?』

「家行っていいですか」

『ごめん、意味わからん』

「文句なら慎吾に言ってください。では今から向かいます」


小刀友紀に、幸あれ。





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