06話.[離れているから]

 学校が始まってから数日が経過した。

 ある程度の時間が経ってから理解したことだが、冬休み前と違って桃菜はあの男子――川瀬とふたりきりでいる時間が増えた。

 そして、当たり前のように真衣は来ないからひとりでの時間が続いている。

 俺が教室に引きこもっているからというのもあるんだろう。

 で、家では計算通りというかわざわざなにかをするまでもなく美弥が話しかけてこないからひとり暮らしをしているように思えてくるわけで。

 まあ、とにかくそんな感じで俺の計画は上手くいっていた。


「ありがとうございました」


 それでも買い物や家事は俺がしなければならないのは確か。

 でもあれなんだよなと、作ってもすぐに消えない料理を見ているとこれなら自分で作ってもらえばいいんじゃないかと思えてくるからなあと。

 風呂の時間もわざと遅らせているから前日の内に風呂掃除ができないし、当たり前だがいいことばかりじゃない。

 今度こそ本当に桃菜や真衣の家に押し付けたいぐらいだった。

 その方が間違いなく美弥は喜ぶことだろう。


「久しぶりね」


 自宅近くで真衣と遭遇したが自分の決めたことを守って反応はしなかった。

 卵などを買っているのもあったから早くこれを冷蔵庫にしまいたかったのだ。

 いまは冬だからそこまで神経質にならなくていいのかもしれないけどな。


「無視とは酷いじゃない、せっかく私が来てあげているのに」


 どうせ嫌われるというか、真衣は俺のことを嫌っていることだろう。

 だからいいんだ、怒って去ってくれればいい。

 話しかけて無視をするような人間にずっと付き合い続ける人間じゃないから。

 実際に彼女はある程度のところで足を止めた。

 俺は気にせずに歩き続けて、着いたら鍵を開けて中に入る。

 極端なことしかできないのは情けないが、自分を守るためにしょうがないことなんだ。

 相手だって無駄なことに時間を使わなくて済むわけなんだから悪いことばかりでもない。


「よし、買い忘れはないよな」


 どうせ出来たてなんか食べてもらえないからささっと作っておく。


「お兄ちゃん」

「なんだ」

「出てく、真衣ちゃんの家で暮らす」

「そうか」


 三十分もしない内に荷物をまとめた美弥が家を出ていった。

 一応、母に送っておいたが、


『生活費を渡すから大丈夫だよ、真衣ちゃんのお母さんとは仲がいいし』


 と、あっさりとした返信だった。

 それならそれで俺にはもう関係のないことだから美弥用に作ったご飯も胃に突っ込んで風呂に入った。

 これから家でこうしてひとりのんびりできることを考えるといいことばかりでしかなかったのだった。




「美弥ちゃんが泣いていたわよ」


 今日は珍しいことが起きた。

 教室内にも関わらず堂々と入ってきて俺を見下ろしてきている。


「家に帰りたくないと言うから引き受けたの」


 昨夜、真衣の母から電話がかかってきて「心配しないで」と言われて。

 で、母はあんな感じで、美弥は真衣の言い方的に自らがそれを望んで。

 勢いだけではあるがちゃんとどっちの親からも許可を貰っている状態で。

 そりゃまあ息苦しい自宅にいるよりかは真衣の家にいる方が幸せだろうなと。

 わざわざ食べる時間をずらさなくていい、風呂だって食後すぐに入れるだろうから寝る時間だって早くなる。

 なにより好きな真衣がいるという環境なら迷う必要すらないよな。


「それで、どうして無視を続けるの?」


 口を開けばきっと期待する、甘えようとしてしまう。

 だが、ぴしゃりと断る人間ではあることを知っているため、俺はなんとか踏みとどまることができていた。

 それにしても不思議なものだ、自分が避けようとすると相手がこうして来始めるんだから。

 意地が悪いとも言えるかもしれないな。

 それでもこれだけは言っておかなければならないことだ。


「美弥のこと、よろしく頼む」


 積み上げるのは滅茶苦茶大変なのに崩れるのは一瞬だとよく分かった一件だ。

 あれだけやってもそうなんだから、なんにもしていない状態だったらそもそも好かれてすらいなかったことだろう。

 俺には無理だった、どうしてもやってという考え方だった。

 ま、こんな人間に任せようとした両親がやはり悪いわけだがな。


「珍しいね、真衣ちゃんがこの教室に来ているのは」

「あなたこそ珍しいじゃない、学校で話しかけてくるのは」

「避けているとかじゃないよ? 真衣ちゃんが来てくれないからだよ」

「賑やかなところは苦手なの、それに自分のクラスからここは離れているから」

「私、真衣ちゃんの教室には行きづらいな、雰囲気が堅苦しいというかさ」

「少なくとも賑やかではないものね」


 変わってきているということなんだろう。

 雰囲気が堅苦しかろうが突っ込んでいって仲良くするのが昔の桃菜だった。

 でも、いつまでもそれを継続なんかできるわけないよな。

 目をつけられたら面倒くさいことになるし、悪口とかだってダイレクトに聞こえてくるものだから。

 グイグイ来られるのが苦手な人間もいる、騒がしくされるのが嫌な人間もいる。

 当たり前だ、みんな同じ種であってもみんなそれぞれひとりひとり違うわけだからこれはしょうがないことだ。

 押し付けもできないわけだし、できることは同じような人間と集まることだけ。

 つか、ふたりが昔のように会話をしているのに違和感を感じるのは何故なのか。

 考えてみたが、俺には結局その理由が分かるようなことはなかった。




「たっちゃん」


 二月最初の土曜日、玄関前に座ってぼけっとしていたら桃菜がやって来た。

 少し警戒したものの、彼氏がいるということもなくて一安心。


「反省した? 反省したなら許してあげる」


 川瀬のためだとあのとき言ったのにまだ納得ができていないらしかった。

 なにかを言ったところで届かないから別の方を向いて無視をしていたら、


「たっちゃん!」


 耳元で大声を出されて鼓膜が本気で破れるかと思った。


「だからあれは川瀬のためだったんだよ。逆で考えてみろ、桃菜の気になる異性がクリスマスに仲よさそうに女子と話をしていたら嫌だと感じるだろ?」

「そんなの感じないよ、誰と楽しそうにしようが自由じゃん」

「でも、川瀬は違うんだろ、だから急いで告白をしたんじゃないのか?」


 クリスマスにはまだ付き合っているような感じではなかった。

 それでも俺がよくも悪くも影響し、大晦日には付き合い始めたと。

 受け入れるだろう的なことを考えてはいたが、随分と簡単に受け入れるんだなーなんていう風に思った。


「帰れよ、俺はなにもしていないのに敵視されても嫌だからな」

「やだ、今日は絶対に帰らない」

「美弥もいないんだよ、だからここに居残る必要はないだろ」

「なんで美弥ちゃんがいないの?」

「聞いてなかったのか? 出ていったんだよ、真衣の家に」


 初耳だったのか「えっ!?」と学校ぐらいまで聞こえるんじゃないかってぐらいの大声を出して驚いていた。


「詳しくは真衣に聞けばいい」

「う、うんっ」


 こうしてすぐに慌てるところは桃菜って感じがしていいんだけどな。

 でもまあ、もう他人の彼氏だからな、昔のようにとはいかない。

 いまはうざ絡みをされないために仕方がなく対応をしているがその、……やっぱり話していると友達としていてくれと望む自分が出てくるから大変だった。


「そうだったんだ……」

「まあな」


 俺としては虚しいことを続けなくて済んで助かっているがな。

 やっぱり相手が喜んでくれるところを見られないと駄目なんだ。

 ただ家事をやるというだけではモチベーションが保てない。

 給料を貰っているというわけでもないのに頑張れるわけがないのだ。

 そこは俺みたいな男なら特にな。


「離れ離れで寂しくないの?」

「寂しくないな、それに前から真衣や桃菜の家にいる方が幸せだって考えていたから丁度よかったんだよ。だから桃菜」

「な、なに?」

「美弥のこと、よろしく頼む」


 あんな態度でいられても妹のことをちゃんと考えていて俺偉いな――なんてことを考えつつ家の中に戻ろうとしたときのこと。


「って、逃さないからっ、それとこれは別だから!」

「わ、分かったから離せ」


 くそ、自然に帰る作戦は無理だったか。

 それにしても意外と細かいことを気にする人間だなと。

 そりゃ、クリスマスにひとりで過ごすことしかできない人間にわざわざみんなと過ごすとか言われたら宣戦布告のように思うだろうが。

 あとは寒くて寂しくて仕方がない状況であのうざ絡みだ。

 俺の反応が冷たくなったってなにもおかしくはない。

 怒鳴らなかっただけありがたく思ってほしい。


「美弥ちゃんに謝りに行こっ」

「いや、今回の件で俺は悪くないしな」

「分かってるよ、それでも謝ったらまた元に戻れると思うんだ」

「それはないだろ」


 謝っただけで戻るのなら苦労はしない。

 桃菜と真衣にも同じことだ、評価ってのはそんなに簡単に変わらないんだ。

 これもまた悪くなる方に限ってはあっという間なんだけどな。

 いま頃は美弥から色々なことを聞いて真衣の中で俺は悪者だろうし、桃菜はもう付き合い始めたんだから以前までのように接することなんてできないし。

 結局、謝り損になるぐらいならこのままでいい。

 それになにより、俺は美弥に嫌われているわけだしな。


「桃菜にも会いたがっているだろ、行ってやってくれ」

「だからたっちゃんもっ」

「俺はいい、求められていないからな」


 まだ朝だというのに桃菜を家まで送った。

 こんなことも多分もうできなくなる。

 彼女が裏で男と会っていたなんて分かった場合に男がすることはひとつ。


「それじゃあ――」

「嘘なの!」

「なに――」


 がだ? と聞こうとする前に抱きついてきた。

 俺には固まることしかできず、数分の間は沈黙が俺らを包んだ。


「……川瀬くんに頼んで付き合ってもらったの、あ、お付き合いをしたというわけじゃなくてですね……そういうつもりでいてもらったというか。あ、ちなみに川瀬くんには彼女さんがいるんだけどさ、その人にも協力してもらって……」

「なんでそんな無意味なことを……」


 とりあえず離してもらってしっかり彼女と向き合う。


「この髪、真衣ちゃんを意識して真似しているんだよ」

「昔のあの短い方が桃菜に似合うと思うけどな」

「でも、昔、たっちゃんが真衣ちゃんの髪を褒めていたからさ、だから私も真似をしたんだよ」


 そういうことだったのか。

 本人が無理をしているから似合わないように見えたのだろうか?

 つか、ということはつまり……。


「言っておくけど少年の頃の俺には、いやいまもそうだけど好きだとかそういう感情はなかったからな?」

「でも、真衣ちゃんと仲よくするたっちゃんを見るのは嫌だったの。そういうのもあって、その、真衣ちゃんの真似をすれば相手をしてくれるかなって思って……」


 なんつー馬鹿なことを。

 桃菜の頭を久しぶりに撫でながら「余計なことを考えなくていい」と。


「髪が短かろうと長かろうと、真衣がいようと美弥に嫌われようと、俺は普通に桃菜の相手をするぞ」

「うん……」


 こんな風になったのは初めてだった。

 小さな喧嘩はもちろん沢山あった。

 それでもその度に速攻で仲直りして一緒にいた。

 だからこれもここで終わりだ、これ以上続ける必要はない。


「よし、謝りに行くか、桃菜がいてくれるならしっかりできる気がする」

「あ、うん! 行こ!」


 真衣の家で助かったかもしれない。

 小学生の友達の家で暮らしていたらそれは行きづらいから。


「はい――中にいるわ」

「おう」


 どうやらリビングで宿題をしていたようだった。

 俺を見るなり逃げようとしたのだが、意外にも真衣と桃菜がそれを止める。


「悪かったよ、あの子と少しだけでも行動させてやるべきだったと反省してる」


 俺がいる状態でふたりを一緒に歩かせればよかったのだ。

 これもまた極端すぎた、柔軟に対応できるようにならないとな。


「まあそれだけだ、真衣、頼んだぞ」

「ええ」


 美弥は真衣の後ろに隠れてしまっているが、それでも謝れただけまだマシだと片付けて気にせず家を出た。


「偉いっ、褒めてあげるっ」

「はは、美弥は完全に怖がっていたけどな」


 歩いていたら途中で桃菜が手を握ってきた。

 それを特に拒んだりせずにそのままにさせておく。


「嘘なんだよな?」

「うん」

「じゃあいい、帰るか」

「うん」


 これで多少はマシになったことだろう。

 俺としても少しだけ前に進めた気がした。




「……お、お兄ちゃん」

「ん……あれ、帰ってきていたのか」


 ひとつ伸びをして体を起こしたらもう外は明るかった。

 あくまで普通に部屋で寝ていたわけだが、いきなり人が現れると怖いな。


「おかえり」

「ただいま」


 そういえば頼むとしか言ってなかったことを思い出して真衣にお礼を言っておく。

 真衣の両親には真衣から言ってもらうことにしておいた。

 で、ここから気になったのは移動すると子鳥のようにとてとてと美弥が付いてくることだ。


「美弥、ゆっくりしていろよ」

「……はなれたくない」

「と言っても、洗濯とかするだけだからさ」

「お手伝いする」


 それなら少し手伝ってもらうことにした。

 俺のだけだからあっという間に終わるんだけどな。


「よし、終わりだな――っと、甘えん坊だな」

「ごめんなさい……」

「いいんだよ、真衣にちゃんとありがとうって言ったか?」

「うん」

「それならいい、そうだ、買い物にでも行くか」


 美弥はこっちに引っ付きながら「行く」と言ってくれた。

 後からだと怠くなるから朝の内に行ってしまうことにする。

 幸い、七時から開店してくれているスーパーがあるためにそこに移動。


「あれ、たっちゃん」

「早いな、なにか急ぎなのか?」


 買い物に行くような人間でもないから急に必要になったんだろう。

 それかもしくは手伝いという可能性もあるがな。


「あはは……お菓子が食べたくなっちゃって、欲しい物がスーパーにしか売っていないからさ」

「そうか、まあ帰るときは気をつけろ――」

「美弥ちゃん、一緒にお菓子を見てようか」

「見るっ」

 

 ああ、結局兄ちゃんよりお姉ちゃんの方がいいんだなと。

 突っ立っていても仕方がないからひとり寂しく必要な物を選んで。


「「お兄ちゃんっ、これ買ってっ」」


 美弥からは受け取って、もうひとりの厚かましい人間からのは却下。

 さっさと会計を済ませて美弥を連れて帰る。

 悪影響となっても嫌だからな、そういう人間にはなってほしくないのだ。


「ふふふ、たっちゃんはひとつミスを犯しているんだよ」

「なんなんださっきから、少しは落ち着け」

「ふふふ、たっちゃんは私の分も買ってしまっているんだよっ」

「あっそ、ほらよ」

「わぷっ、か、顔に押し付けないでよっ」


 俺がレジに持っていっているんだから分からないわけがないだろ。

 本当に真衣を見習ってほしい、美弥だってこそこそと入れたりはしないぞ。


「お兄ちゃん、この後、五十嵐くんと遊んできてもいい?」

「おう、いいぞ」

「オレンジ色になるぐらいまでには帰るから」

「おう、気をつけろ」


 なるほど、菓子はそのために欲しかったのか。

 というか、どうなっているのか全く分からないぞ?

 仲よくできているのか? まあ、あまり上手く行き過ぎてもなんか寂しいが。


「たっちゃんっ」

「なんだよ?」

「たっちゃんのお家に行きたい、いいよね?」

「おう、別にいいけど」


 まだ朝ご飯を食べていないから作って食べるか。

 桃菜は食いしん坊だから既に食事済みだとしても問題はない。


「ほらよ、白米と目玉焼き、それとわかめと豆腐の味噌汁だな」

「ありがとー!」


 朝にしっかり食べておかないとあれだから俺もしっかり食べておく。

 

「お菓子食べよう!」

「まだ早いだろ」

「ちぇ」


 精神の方はよくも悪くも育っていない感じだった。

 とりあえず洗い物だの掃除だのをしておく。

 桃菜は結局我慢することができずに菓子を食べながら嬉しそうにしていた。


「たっちゃんっ、美弥ちゃんってもしかして……」

「ああ、その五十嵐って子を好きみたいだな」

「そうなんだっ、上手くいくといいなあ」

「それより川瀬に謝っておけよ? つか、余計なことをすんな」

「あはは、たっちゃんがちょっとは焦ってくれるかなって思っていたんだけどね」


 焦りというか唐突すぎて驚きというか。

 いやでも本当に桃菜が誰と付き合おうがそんなのは自由だ。

 余程酷い噂が出ているような人間でなければ止めることはしない。


「でも、全く焦ってくれなかったよね? それどころか無視してきたし」

「美弥に嫌いって言われてからどうせ嫌われるなら無駄だからって考えたんだよ」

「それなのにいまこうして話してくれているのはなんで?」

「そりゃまあ……美弥が戻ってきてくれたからだ」


 嫌いと言ったことを撤回してくれたわけではないとしても、またああして家に戻ってきてくれたわけだし、どうせ寂しいことには変わらないんだから素直になろうと考え直したんだ。


「それにどうせ無視を続けても桃菜はしつこいからな、無駄にうざ絡みをされるぐらいなら会話ぐらいしてやろうと、ぐえ!?」

「酷いよっ」

「じょ、冗談だよ……」


 事実、何度も話しかけてきて我慢しきれなくなっていただろうからいいのだ。

 これもまた早くに起こるか遅くに起こるかという小さな違いでしかない。


「髪、どうするんだ?」

「うーん、切るのはもったいないなあって」


 まあこれまで時間をかけて伸ばしてきたものをすぐには切れないか。

 

「じゃあポニーテールにしようぜ、そうしたら活発少女みたいでいいだろ?」

「どう?」

「悪くないな」


 そもそもいきなり髪をばっさりと切ったら失恋したとか思われそうだからな。


「……可愛いって言ってもらいたい」

「おー……可愛いー……ぞ?」

「ぎこちない……けど、許してあげる」


 許してもらえたのでまた普通に座り直したのだった。

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