二月四日(木)
席替えで君の隣になった。ものすごく嬉しかったことだけは覚えている。
机をくっつけるときなどは、一人で勝手に緊張していた。
よくあるだろう、微妙に机と机を離しておくような感じ。向き合うという目的を鑑みれば、ぴったりと付ける意味がないと言えばそうかもしれないが、相手を嫌っているのか何なのか、あれ、とても落ち着かない。
教室の床と机とが噛み合ってなくてぐらぐらするような場合、はっきりと見えていた隙間が、一瞬間のうちに突然埋まろうとする。それが特に一番落ち着かない。
だから、落ち着かないというだけの理由で、君との机に隙を作ることのないようにしていた。嫌っているとか、逆に好意があるとか、変な印象を持たれる隙もないだろう。得策だと思うのだが。
でも、彼女はそんなこと思ってもいないだろうな。この思考も無駄なものになっていく。だって、彼女もすきを作らないように、躊躇せず机を合わせる。
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