第2話 手

手の甲の皮膚が割れて小さな眼球が無数に飛び出してきた。

それらは私をじっと見ていた。私は特に気にも留めず、暫く放置していると、眼球はじっとりと赤い涙を流した。手は無数の眼球の流した赤い涙によって真っ赤に染まり、爛れてしまった。しまいには腐って腕からボトリと落ちてしまった。

痛みは無い。ただ胸がチクチクする。頭はもやがかかったかのようにぼんやりとしている。

私は落ちた手を紙袋に包んで土に埋めた。その代わりに近くに転がっていた親の手をむしり取り、自分の腕に装着した。

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