呟怖 短編集

猫背街 中毒

第1話 浜辺の少年

男は物憂げな顔で虹色に輝く空を見上げ、 赤い海を見ていた。

するとしゃきしゃきと浜辺を踏む音が聞こえた。振り向くと見覚えのない少年が立っていた。

「坊や迷子かい?」

少年はじっとこちらを見ている。

「ねえ…」

そう言いかけると少年は私に近づき耳元でこう囁いた。


「ねぇ、何で殺したの?」


少年は笑っていた。

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