第3話

ローストビーフと聞くだけで何故か心が躍る。

しっとり柔らかく、かつ臭みのないローストビーフを今迄に味わったことがあっただろうか。


ひとりランチ。割とひとりでご飯を食べる事が好き。下調べは当てにせず、フィーリングで飛び込んでみる所は大体外れがない。ファストフード店以外なら何処でもいい。


1度目は友人と来た。確かナポリタンを頼んだ気がする。今日は1年振りに。以前は無かったローストビーフ丼。隣のページのハンバーグもシーフードカレードリアも捨てがたい。でも、今日はローストビーフ丼。

白米の上にローストビーフが盛られ、中央の窪みに温泉卵。玉ねぎと醤油が和えられたものが掛かり、脇にはリーフレタスが添えられている。にんにく、わさび、マヨネーズの薬味もある。

わさび、白米を肉で包んで食べる。こんなにも柔らかく臭みのないローストビーフは初めて食べた。薬味との相性も抜群。こんなローストビーフを手作りしてみたい。つい癖で作り方を頭の中で組み立てている自分がいた。

自分の機嫌は自分で取る。自分の感情を他の人に慰めて貰わない。私が見つけた自分を見失わない方法である。

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蒸籠 @granayum

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