第11話 選択

"選ばされる"確かに十夜は言った。

「いや、"選ぶ"んだろ?」

人は何かしら選択して生きている。自分の人生を終わらせるのも自分で選択するのだ。

だから、十夜の言う"選ばされる"というのは違うと亮一は思った。

「じゃあどうして、幽霊がでてくる訳?」

またもや突飛な話をもちだす十夜。

「な、お前、それとこれとは話が違うだろ?」

「でも、幽霊はよく死んだ事を後悔してたり、本当は死にたくなかったり、"生きていたかった"って思いがある人間だって言うじゃん?」

なんとも斜め上の意見をのべてくる。

「だから、それは…」

言葉につまる。"生きていたかった"確かにどんな気持ちより正直な気持ちだと思う。

「だからさ、"死ぬ"って選択だけは自分で選んだんじゃなくて、その人の周りのがそれしか選ばせなかったんだとオレは思う。」

十夜の話を聞きながら自分はどうだったか考えていた。あの時、あの瞬間、

選んだのか

選ばされたのか…


「幽霊を信じない人もいるし、スピリチュアル的な話っていうのは感じるもので、目にはみえないから、理解してもらえないことの方が多いけどでも、確かに存在してる。」

空を見つめそう話す十夜の目には何かうれいがみえる。


「…幽霊見たことあるのか?」

亮一の質問に十夜は大笑いした。

「アハハハっ!!いや、1度もないよ。

本当に。フフッ山本さんは面白い人だね。」

自分が的外れな質問をしてしまったことに気づいた亮一は恥ずかしくなり誤魔化すように立ち上がった。

「腹がへった!飯食べに行こう!」

そう言うと足早にもと来た道の方へむかう

「あ、山本さん!待ってよ!」

十夜も慌てて起き上がり、耳まで赤くなってさっさと先に行ってしまった亮一を追いかけた。

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突然ですが、最近、空を見上げましたか? 卯瑠樹 夜 @UKIYORU

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