裏話1「物語に出てこなかった、こぼれ設定」

※設定メモ3(非公開・抹殺済み)の中から使われなかった設定で面白そう?なネタをピックアップします。物語に合わせて変更した箇所も公開するよ!


■魔族


魔王を助けるために動く種族。

魔族としても「世界が崩壊したら皆死んじゃう」としても、いつ崩壊するか分からないし、魔王様を支える人がいなくなれば、あっという間に魔族は殲滅されられてしまうということもあり、魔族は種族存続のために寿命も長いし耐久力も高いけど、子孫を残そうとする。感情もあるので、恋愛もする。


※実は、魔族は防衛はするが積極的に他種族に攻撃をしかけているわけではない。(他種族を滅ぼすために動くのが魔王様の仕事なので、邪魔をしないつもりということらしい)


■魔王


万が一殺されても、新しい魔王(別人)が生まれるので、死ぬのは怖くないらしい。

世界を滅ぼす使命を持っているからといって必ずしも人格がヤバい魔王ばかりではないことを示すかのように、今回の魔王様は使命を果たそうと頑張るマトモな人なので、本当に哀れ。(主人公に惚れられなければ、もう少し生きられただろうに……)


ちなみに「魔王が世界を滅ぼす=世界のリセット」だけど、無闇矢鱈に世界をリセットするわけにはいかないので、他種族は本能で魔族&魔王と敵対している。


■魔王の腹心


哀れな人その2。

娘が壊れていくのにも「いつもの妄想癖か……」と気づかずにスルーしてしまい、近衛兵から事情を聞いた後からの怒涛な展開に、エンディング後に自殺するんじゃないかってくらいに追い詰められる。

腹心としては優秀だけど、父親としては優秀じゃなかったかもしれない。


魔王様が死んだことは、昔、魔王様から何かあったとき用に預かっていた専用のアクセサリーで知ることとなったが、娘の行方はその時点では掴めておらず、エンディング後も引き続き捜索中。(主人公が物語の主人公をできなくなったのに、脇役について触れるのは変だと思ったので本編では丸ごとカットした)


娘の犯行を止められなかったことを特に悔んでいるので、見つけ次第、彼自身の手で娘を殺して自分も死んだと思われる。

妻とは大恋愛で結婚している。きっと娘のことで悔んでいる中で夫も失ったらショックで後を追いそう。


■宰相の奥さん


哀れな人その3。

娘の実験台にされてしまった。

元々、重い風邪を引く設定ではあった。

「そういえば、実験もせず、ぶっつけ本番でやるだろうか?」と考えたら、主人公の性格上あり得なかったので、タイミングの良さといい、母親を実験台にした方がしっくりくるなーっていう、物語の進行上の理由でエグい目に遭うあたり、一番哀れな人だと思う。


■物語では人族の侍従を出したけど、元々は宰相のつもりだった。


書いていたら、こうなった。扉を開けるのを宰相がやるのって何だか違和感が強かったので、侍従を出したんだけど、元々しっかり書くシーンではないところだったので宰相を出す余地がなくて……。宰相は、用事で、たまたま王の間にいなかったということにしてください。

重要そうなポジションだったのに、国も滅びて今後の出演フラグも折られたから少しかわいそう。


■人族の国の一つ


主人公の夢の中では滅びていなかったのに、リアルでは滅ぼされた哀れな国。


■主人公の姉の義父(夫の父親)を出したが元々は主人公の姉の夫のつもりだった


書いていたら、こうなった。呼び出しという形で割り込んで、かつ昼間に魔王城にいなくても問題のない立場となると、少なくとも姉の夫ではないなと思って。それで姉が逆らいにくい権力を持つ御方といったら、隠居している義父くらいではないかと。

そんなわけで、姉の夫の出演フラグは折られました。


■世界のシステム?達


精霊や天使のような形で誰にも見えない形で世界を見守り、管理する存在。

神が作ったのか、世界の無意識での言動の代弁者なのかは定かではない。

通常時は物にも人にも干渉できないが特定条件を満たすことで干渉できる。


例の本に、物理的にも歴史からも消すことができるように干渉した(部分的に顕在化した)のは、特例というこじつけで何とか実現したこと。本来ならシステムルールに反することのようだ。


■禁書室にあった文献


禁書になった理由を考えたら、ヤバイ本だらけなはずなのに例の本以外に出てこないのって変だよね?

と思っていたところに「何で潜伏先とか都合良く令嬢が知ってるの?」「何で毒とか詳しいの?」「そもそも、どこから毒を仕入れたの?」という疑問が浮上したため、結び付けられました。


幽霊屋敷になったけど、実は元々は実験するための屋敷で地下室があったんじゃないだろうか。

そうだとワクワクするね。ホラー的な意味で。


■設定メモにはなかったけど、主人公について語りましょう


基本的に長く続けるつもりがなかったので、設定は特に深く決めないでおこうと考えていました。だから、登場人物に名前をつけるのもしていません。容姿も決めていません。普段から「好きに想像してほしいから」という理由で容姿を描写しないことも多いけど。


でも、主人公に関しては、名前がないと不便だったので名前をつけました。「腹心の娘」って皆呼ぶのも、名前を呼ばないで、ずっと進行させるのも不自然だったから。

名前は適当に決めましたが、思い浮かんだ「シェリー」という名前は案外彼女に合っていて気に入っています。


彼女は思い込みが強くて押しも強いのですが、優秀な魔王の腹心の娘ということもあり、実のところ、かなり優秀な女性です。男性に産まれていたら、魔王の次期腹心として英才教育を受けたと思われるほど、魔力の扱いだけではなく知識や司令官、参謀としての才能にも優れています。

だからこそ、本編でアレコレやらかしても誰にも止められなかったということで……。


段々壊れていく、人格崩壊をしていく彼女をどうやって表現したら良いのかは少し悩みました。夢と現実を同一視していくのにも。

書ききってみたら、案外何とかなったような気がします。


今後同じような作品を作り出せる気は一切しませんので、貴重な体験ができたなと思っています。


裏話2に続く!

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