第1516話 恋から愛へ

ドキドキしながら、彼女と街を歩いていた。映画を見たり、カフェでお茶をしたり、二人の時間を過ごすことができた。初めてのキスに、僕は舞い上がっていた。夜景を見ながらロマンチックな雰囲気でのキスだった。

付き合って二年。もはや当時のドキドキ感なんてなくなっていた。彼女とは付き合った当初以上に仲良くなっているけど、時が経つにつれてドキドキしなくなった。トキめかなくなった。

「ああ、あの頃のドキドキが恋しい」

「なんか言った?」

「いや、何も」

良くも悪くも彼女といると安心する。安心するけど、恋愛特有のドキドキ感が皆無だ。物足りない。でも浮気する勇気もない。

「ねえ。私達、そろそろ」

「え?」

「結婚とか考えない?」

そんな言葉を彼女から告げられた。

「僕は君といるとドキドキが止まらないんだ」

「嘘よね」

「うっ……」

「恋から愛へと変化したって事よ」

彼女の言葉に妙に納得し、僕はプロポーズした。

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