第1512話 七草佳夕
私の名前は、七草佳夕。七草粥とよく間違えられる。七草粥の時期になると、名前でいじられるのだ。名字はまあ仕方ない。だが親は、どうしてこんな名前を付けたのだろう。疑問に思った私は、親に聞いてみることにした。
「ねえ。どうして私の名前は佳夕なの?」
母はこう答えた。
「七草粥からきているのよ。あなたが生まれたのは、七草粥の時期だったから」
「えっ……。そんなテキトーなの?」
「そうよ」
「じゃあ私が桜の時期に生まれたら七草桜だったの?」
「そうね」
「じゃあ、じゃあ!!私がクリスマスに生まれてたら!?」
「七草クリスね」
「それじゃ外国人じゃない!!じゃあ」
「じゃあバレンタインなら?」
「七草馬連ね」
「競馬じゃない!!」
「じゃあエイプリルフールなら?」
「嘘子」
「嘘ぉー!?」
「ちなみにひな祭りに生まれたらひなよ」
「くっ!!可愛い!!ひな祭りに生まれたかったわ!!」
でもまだマシか。
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