第1511話 満月のセブンティーン

満月の夜になると十七歳の姿になる。それが俺だ。なぜ俺の体は、突然十七歳になってしまうのかは分からなかった。だが突然若返るというのは、実は楽しい、満月の夜は、俺の楽しみである。

さて今日は満月だ。十七歳でいられるのは、夜の間。月が出ている間だけ。つまり午前二時がタイムリミットだ。だから俺は、午前二時まで眠くても徹夜する。というか十七歳の体なら午後二時まで起きているのなんて、全く苦にならないのだ。若さとはすばらしいものだ。今日は何をしようか。そうだな。今日は夜の海を見よう。青春って感じだ。夜の海に行って海を眺めていると、隣に同い年くらいの女の子が座った。

「ねえ。こんなところで何してるの?この辺じゃ見ない顔だね」

「それは俺の台詞だよ。女の子がこんな夜中に外に出ると危ないよ」

それから二人で他愛もない話をした。

そろそろ時間だ。

「またね」

「ねえ、また会える?」

「うん。またいつかね」

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