第1503話 宇宙人とチーズケーキ

「頂きます!」

女子高生達の口コミから広がり、今全世代で美味しいと評判のチーズケーキ。なかなか買うことができなくて、予約して一か月待ちでついに買うことができた。それを今、私は口の中に入れようとしていた。その瞬間、私は何やら視線を感じた。後ろを振り返ると、グレイがいた。

「きゃあああああ!!」

私は悲鳴を上げて、椅子から転げ落ちた。

「それは何?食べ物?美味しそう」

「あ、あげないからね。これは一か月待ちでやっと手に入ったんだから」

宇宙人は寂しそうに、うらやましそうにチーズケーキを眺めていた。

その様子があまりにも可哀想に見えたし、なんだか一人食べるのも申し訳ない気がしてきた。

「……一口いる?」

「いいの?」

「うん」

そう言って宇宙人に一口だけチーズケーキを上げる。

「美味しい」

宇宙人は目をキラキラさせながら言った。

「お礼にコレアゲル」

そう言って瞬間移動ができるアイテムをくれた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る