第1499話 虫アパートの怪談

夜の闇の中、ひとりの男がトンネルに向かって虫を手でつかんでいた。彼は自分のアパートに持ち帰って、虫たちを仲間同士で戦うことに夢中になっていた。ある夜、男が眠りに落ちていると、手にした虫たちが出した動き出した。男が目を覚ますと、部屋中に虫が蔓延していた。彼は悲鳴を上げながら、逃げ場を求めて部屋を飛び出した。男は必死に逃げ惑いながら、虫たちの群れに追い詰められていた。 最後の最後まで男は諦めず、自分が手でつかんでいた虫たちを投げつけて応戦しようとしたが、その瞬間、彼は虫たちに包囲され、消えてなくなった。

それ以来、そのアパートには誰も住まなくなり、虫たちは自由に生きるようになったという。


「これが虫アパートの怪談だよ」

「こわ~い。ねえ、消えた男の人はどうなったの?虫アパートはまだあるの?」

妹の聡子は、僕を質問攻めだ。実はその虫アパートが今、僕達が住んでいるアパートだとは言えない。

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