第1463話 おこ様ランチ
物凄くイライラする。仕事では理不尽に怒られるし、家に帰っても邪魔者扱いだ。俺は一体、何のために生きているというんだ。今日もまた会社に行かなければならない。午前中はクレーマーの処理に追わされ、怒鳴られて、ようやく昼休憩の時間がやってきた。俺の一日の中での唯一の癒しの時間。昼飯だ。さて今日は何を食べようか。ぶらりと駅の方から歩いてきてみたものの、ピンと来る店はない。細い路地の方は、ほとんど行ったことないが、たまには行ってみるのもいい。すると小さな洋食屋を見つけた。なんとなく入ってみる。
「いらっしゃい。好きな席に座って」
そう言われ、座るとメニューも出てこないうちに料理が運ばれてきた。
「いや、何も注文してないんだが」
「お客さん。怒ってるよね。そういう時はこれさ。おこ様ランチ」
おこ様ランチを食べると、不思議とイライラが収まってきた。それは鎮静作用のある檸檬でさっぱり味付けされた味だった。
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