第1462話 スノードロップ

雪が解けてその花は咲いた。春の訪れと共に。私が生まれたのは、その花が咲いた頃だった。


――スノードロップ


その花の花言葉は、切ない恋。

私の恋は、花言葉の通り、ハッピーエンドを迎える事はない。好きになった人は転校して離れ離れになったり、時には病気でこの世を去った。私の恋は一時的なもの。幸せはすぐに消えてしまう。だからもう恋なんてしようとは思わない。誰かを好きになるなんてやめようと思った。

でも、あなたを好きになってしまった。私が誰かを好きになるのは、いけない事なのに。また不幸な怪我や病気で亡くなったりしたら、私は耐えられない。

「それでどうなの?俺と付き合う?」

「あなたのことは好きだけどダメ。付き合えない」

「どうして?」

私は事情を説明した。

「だったら俺がお前の運命変えてやるよ。約束する。何があっても俺は、お前から離れないから」

そう言いながら、彼は微笑みながら私の頭を撫でた。

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