第1459話 春詩人

春来る 青空に舞う 桜の花よ

私の詩よ。届け 天まで


この詩を歌ったのが春詩人だ。春詩人は、春を詩に詠う事で国語の教科書にも載った有名な詩人だ。だがそんな春詩人は、謎が多い事でも有名だ。春詩人という名前だけで、本当の名前など誰も知らないのだ。私は春詩人の謎にとても興味を持った。一体、どんな人なのだろう。男なのか女なのか性別すらも分からないという春詩人。それなのに国語の教科書にも載っているなんて格好良い。ミステリアスな天才というのは、いつの時代でも憧れてしまうものだ。私は図書館に行き、春詩人について分かる事を調べ上げた。春詩人は、春になると都に詩の書いてある紙をひっそりと置いて帰るらしい。その姿を見た者は、誰もいないらしい。調べれば調べる程、実に不思議だ。これでは知りようがないではないか。だから私も春詩人を自称し、歌をひっそりと置いていく事にした。私が自称二代目春詩人だ。よろしくね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る