第1426話 雛壇症候群
高い位置であれば高い位置である程良い。雛壇症候群と医者に言われ気づいたが、どうやら私は病に侵されているらしい。それに気づいてからは、治療法として医師の指導の元、少しずつ良くなっていくと言われた。だがこの病気は根が深いらしく、完治は難しいとも言われた。しかし、私の場合は軽度の症状だったので、薬を飲みながら、認知行動療法を受ける事で日常生活を支障なく送る事ができた。ただ、高いところにいる時だけは、いつもより視野が広くなって、色々な事がわかっているつもりになって、つい上から目線で色々なことを物申してしまう癖は、抜ける事はなかった。だから、私はもうこれ以上上を目指すことは止めようと思った。自分の身の丈にあったところで生きていこうと思った。それからは、少しだけ楽になった気がした。そんな風に生きてきた私が今いる場所は、高層ビルの屋上にあるヘリポートだ。今日もここで空を見上げている。
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