第1427話 ファンタシーエーター

ファンタシエーターは、妄想を現実化することができる機械だ。俺の妄想は、自分がヒーローになる事だ。学校の教室で授業を受けていると、悪の組織が学校を占拠しようと突然教室に入ってくる。皆が怯える中、俺だけが悪の組織に戦いを挑み、全員倒していく。そんな妄想だ。

高かったファンタシーエーター。おこづいかいもお年玉も全部つぎ込んで買った。頼むから最高に気持ちいい瞬間を味わわせてくれよ。そんな願いを込めながら、ファンタシーエーターを起動させる。スイッチが入ると、ブオンという回転音が響き渡る。それだけだった。何も変わっていないではないか。まさか俺は騙されたのか?

そう思っていた次の日、学校が占拠された。俺は果敢に立ち向かって悪の組織を倒した。その結果、悪の組織が世界各地に誕生することになった。俺のせいだ。俺のせいで、世界はとんでもないことになってしまった。だから俺は、その責任を取らなければならない。

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