第1422話 消えるラブレター
いつも一緒にいる事が当たり前で、気が付けば大切な存在になっていた。きっかけは、彩の言葉だった。
「何グズグズしてるのよ。のんびりしてると竜ちゃん誰かに盗られちゃうよ」
そんなことを言われ、私は急に焦り始めた。想いってどうやって伝えればいいのだろうか。チャンスは何度もあった。でもなかなかきっかけがないと、伝える事ができない。
「だからさ――。 ……っておい、聞いてるのか?」
「え、あっ、ごめん。なんだっけ」
「いや、だから暑いし海行かね?って話だよ」
「ああ、うん。行こ」
海での告白ってのは、ロマンチックで良いと思う。竜ちゃんが泳いでいる間、私は砂浜に相合傘を書いた。私と竜ちゃんの名前を書いて。そして泳ぎ疲れて戻って来た竜ちゃんに言った。
「竜ちゃん、見て」
「あっ。お前……。その先は俺に言わせろ」
竜ちゃんが相合傘を確認した後、波がきてラブレターは消えた。照れ臭いから消えてくれて良かった。
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