第1369話 娘娘胡麻
中国では西城の諸国を「胡」と言い、種子が麻の実に似ていることから「麻」という漢字が当てられたのが、胡麻の由来だ。また娘娘とは女神、皇后、貴婦人などに使われる尊称の事である。娘娘胡麻という商品を見かけ、本場っぽい感じがして、つい買ってしまった。せっかくだし本格中華でも作ろうかと思い、麻婆豆腐を作ってみる。四川風の辛いやつだ。そしてここに、あえて娘娘胡麻をふりかけてみる。麻婆豆腐に胡麻。うん、我ながら胡麻を入れるとは素晴らしい発想だ。良い出来栄えだ。完成した麻婆豆腐を食べたら、急に胸が苦しくなってきた。体が熱い。麻婆豆腐の味付けを辛くしすぎたか?
そのまま俺は倒れてしまった。気が付くと病院のベッドにいた。そして寝たままの俺の元に医師がやってきて言った。
「落ち着いて聞いてください。あなたは娘娘胡麻を食べた事により、娘娘になったのです」
「……へ?」
こうして今、俺は胡の皇帝として君臨している。
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