第1368話 シークレットブーツ

フリマサイトにシークレットブーツが売っていた。背が高くなるのだろうか?

身長にコンプレックスを持っていた俺は、シークレットブーツを注文することにした。数日後、届いたシークレットブーツを履いて鏡を見てみると驚いた。俺の姿が映っていないのである。シークレットブーツは、身長が高くなるブーツではなく、透明人間に見える隠れられるブーツだった。これはとんでもない物を手に入れたと喜んだ俺は、まず一番最初に浮かんだ女湯に潜入するというスケベ心を満たそうと考えた。早速、温泉へ向かい、女湯に堂々と入っていく。大丈夫だ。バレていないようだ。女湯を覗いた後、他に何をしようかと考えたが、特に思いつかなかった。

その時だった。道路に飛び出した子供を見つけた俺は、慌てて子供を突き飛ばした。それと同時に車がやってきて、俺は轢かれてしまった。

「痛い。痛い。誰か助けて……」

そう声をあげるが、俺の姿は誰にも見えなかった。

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