第1363話 二度目の再会
私には前世の記憶がある。遠い昔、誰かと愛し合っていた。顔も名前もはっきりと思い出せる。六丸様に会いたい。ある朝の事だ。職場に着くと新入社員の紹介があった。彼を見た瞬間、私の体には電流が走った。そして自然と涙が出た。
「六丸……様?」
「宇津宮と申します。よろしくお願いします」
元気よく挨拶した彼は、間違いなく六丸様の生まれ変わりだ。しかし、彼にも同じように前世の記憶があるとは限らない。だから私は思い切って彼に聞いた。
「宇津宮さん。前世の記憶ってある?」
「はは。そんなのありませんよー」
「そうだよね。あったら面白いのに」
「石井さんは楽しい人なんですね」
明るくそう答えた。そして彼は、交際していた恋人と結婚する事を彼の口から告げられた。
「そっか……。おめでとう」
彼が幸せになってくれたのなら、私はそれでいいのだ。これが二度目の再会だ。もし叶う事ならば、三度目は一緒になりたいな。
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