第1364話 純愛缶
純愛缶と呼ばれる缶詰が発売された。その缶詰を開けると、純愛を楽しめるというものだ。恋人にことごとく利用され、騙されて捨てられた私は、癒しを求めて純愛缶を購入した。缶の蓋を開けると中から煙が出てきて、その煙は男性の姿へと変わった。
「君の恋人になりたいんだ。僕と恋人になってくれる?」
その男性は、私好みのイケメンで、私達は、その場ですぐに恋人になった。
「おかえり。仕事お疲れ様」
毎日、仕事から帰ると出迎えてくれる。
「顔色良くないね?なんかあった?」
いちいち私の事を心配してくれるところも、とてもポイントが高い。細かい事に気が付いてくれるし、優しいし、まさに理想の彼氏だった。
「ごめんね。そろそろ時間だ」
そう言って彼は、煙となって消えてしまった。純愛缶の効果時間が切れてしまった。どうしてあなたは煙なの?
あなたに触れられない事がとても苦しい。この想いは、まさに純愛そのものだった。
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